the Earth
海底火山の大噴火 世界初ビデオ撮影に成功
2010.01.03 高田 久代
世界でもっとも深い海底火山噴火の様子を収めたビデオが、12月17日にサンフランシスコで行われた地球物理学会の会議で公開され、地質学上の大発見として科学者たちの注目を集めています。
噴火したのは太平洋のサモア南西約225キロ、水深1200メートルにあるウェスト・マタ海底火山。昨年5月アメリカ海洋大気圏局（NOAA）とアメリカ国立科学財団（NSF）のチームが水中ロボットを使って行った海底探査で、高解像度ビデオで撮影することに成功しました。水中ロボットを至近距離まで近づけて撮影することができたのは、水圧が火山の破壊力を上回るためだそうです。噴火は壮大なもので、爆発とともに真っ赤なマグマが吹き上がり煙のような硫黄の雲が現れますが、深海の冷たい海水に触れた瞬間に固まり、黒い岩となって海底に沈んでいきます。
これほど深い海での詳細な海底火山噴火の映像はこれまでになく、科学者たちはこれらの映像や採取したサンプルなどが海底の地殻形成や海底火山周辺の過酷な環境で生きる深海生物の生態、さらに海底のプレートがぶつかり合うときに起こる現象などを探る手がかりになると期待しています。
関連するURL／媒体
http://www.nzherald.co.nz/science/news/article.cfm?c_id=82&objectid=10616328
