the Earth
2010.06.12 宮原 桃子
「ゲリラ・ガーデニング」。何だか危なげな響きですが、これは町の緑化を進めるべく、主に公共の空き地や荒廃地に、市民が自発的にガーデニングを行うというもの。1970年代に米国NYで始まり、近年では英国人リチャード・レイノルズ氏が主宰するウェブサイト「Guerrilla Gardening.org」や氏の著書が注目を集め、同サイトには現在約40カ国約1万9000人が登録しているそうです。5月1日に行われたヒマワリの種を植えるイベントには、世界各国から6000人以上が参加するなど、その活動は世界に広まりつつあります。
リチャード・レイノルズ氏によるゲリラ・イベントの紹介映像
公共もしくは他人が所有する土地に許可なく植物を植えることは、本来は違法であるため、前述のレイノルズ氏は活動を「(自治体・コミュニティーの怠慢に対する)戦争」とも呼び、参加者を「ゲリラ・ガーデナー」と表現しています。ゲリラ・ガーデナーの参加手法は多様で、日常的にさりげなく種を植えるガーデナーもいれば、夜中に高速道路の車線上に木を植えたり、デモで逮捕される過激なガーデナーもいます。5月、南ドイツ新聞は、生態系にそぐわない植物が植えられる事例や過激なガーデナーに疑問を呈しており、その手法には賛否両論あります。
しかし一方で、英国グラスゴー市やドイツ・エッセン市のように自治体から正式な承認・依頼を受けて活動するケースも出ています。このように市民の行動が起爆剤となって、最終的には正式なコミュニティーの活動として広く進められることは、ゲリラ・ガーデニングの目的にも合致する理想的な形ではないでしょうか。
関連するURL/媒体
http://www.guerrillagardening.org/index.html