the Earth
2009.03.03 橋本 淳司
プロ野球開幕を前に、阪神甲子園球場がエコな球場に生まれ変わりました。夏の強い日差しや雨から観客を守る銀傘が、従来の1.4倍の7500平方メートルにふき替えられ、ここに降った雨は地下のタンク2基(計226トン)に貯水され、グラウンドへの散水や観客用トイレで使われます。
雨水は「流せば洪水、貯めれば資源」といわれ、東京ドームや埼玉スタジアムなどの施設では、すでに有効活用されています。雨水活用は各家庭でもできます。仮に、東京都内のすべての一戸建住宅の屋根に雨水を貯めると、1億3500万トンが確保でき、これは利根川水系の八木沢ダムが東京都に供給している水量を上回ります。これまで大都市の水行政は、水が不足したらダムをつくればよいという考え方でしたが、施設や住宅に貯めた水を生活用水などに使えば、ダムに依存する生活から脱却できます。
雨水利用には災害防止という目的もあります。都市部は地面がアスファルトで覆われている部分が多いので、豪雨があると地中に雨水が浸透せず、そのまま川に流れこみ、都市型水害の発生につながります。雨水をタンクに貯めると、小さな治水ダムとして機能し、洪水を防止することができます。
関連するURL/媒体
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20090301-OYO1T00229.htm?from=main3