the Earth
2010.04.06 高田 久代
Andes:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by ramseyarnaoot
1億年前、オーストラリア大陸とニュージーランド(以降、NZ)がどのように分離したかを数理モデルに表したオーストラリアの地質学者が、同じように南アメリカ大陸が分離する兆候があると3月21日発行のネイチャー・ジオサイエンス誌に発表しました。
シドニー大学のパトリス・レイ准教授とディエトマー・ミュラー教授は、地球の表面を覆う固い岩板「プレート」が下層のマントルの対流で動くとするプレートテクトニクスの理論をベースに、超大陸ゴンドワナ(※)の分離についてシュミレーションを行い、オーストラリアとNZがどのように分離したかを明らかにしました。
論文によれば、1億500万年-9000万年前、太平洋プレートは、年間7-8センチのスピードでゴンドワナ大陸の東海岸に衝突しながら沈みこんでいきました。やがてプレートが失速すると、太平洋とゴンドワナの両プレートの衝突も収束に向かい、東ゴンドワナの山脈は自身の重さに耐えられず崩壊を始めました。同時に、下層のマントルの浮力が増し、地殻を押し上げて裂け目をつくり、それがオーストラリアとNZを分離させる「くさび」になったと言います。
レイ准教授によると、現在、南アメリカ大陸の下でも同じように太平洋プレートの沈降スピードが過去2000万年で年25センチから約7センチに低下。「このまま太平洋プレートと南アメリカプレートの衝突スピードが低下すれば、アンデス山脈が崩壊をはじめ、南アメリカ大陸の一部が分離する」と予測しています。
※約6億年前に誕生したといわれる超大陸。現在のアフリカ、南アメリカ、インド亜、南極、オーストラリアなどを含んでいたとされる。
関連するURL/媒体
http://www.nzherald.co.nz/science/news/article.cfm?c_id=82&objectid=10634088&ref