Energy
2008.12.21 高田 久代
次世代の太陽光発電に適した有機素材を探す研究のため、世界中の待機状態のコンピューターを利用して研究期間の大幅な短縮を目指す プロジェクトを、ハーバード大学の研究チームが開始しました。
研究チームが探しているのは、プラスチック製の太陽電池の量産を可能にする有機素材の組み合わせ。従来のシリコン製よりも低価格で応用範囲が広いプラスチック製は、すでに開発されているものの、商業生産には効率面で問題をかかえています。プロジェクトによって打開策がみつかれば、太陽電池を窓ガラスにコーティングをしたり、毛布に縫い付けたりすることが可能になり、多様な活用法への道が開けます。
プロジェクトでは、IBM社の社会貢献システム「World Community Grid」が活躍。世界中から募集したボランティアのコンピューターをネットワークでつなぎ、電源が入っていても使用していない待機状態のコンピューターの余剰能力を活用して、研究に必要な無数の化合物の演算を行います。100万台のコンピューターをつなぐことができれば、通常は22年かかるとも言われる演算が2年で完了できると期待を集めています。
関連するURL/媒体
http://www.reuters.com/article/environmentNews/idUSTRE4B70QS20081208