Energy
2011.02.09 奥山 賢治
バイオガスを生産する市川環境エンジニアリングの子会社、バイオエナジーは東京ガスと共同で、食品残さを由来とするバイオガスを都市ガスとして家庭へ供給する事業に国内で初めて取り組みます。供給するバイオガスの量は一般家庭約2000世帯の年間使用量に相当する約80万立方メートル。年間約1360トンのCO2排出削減も見込まれています。
食品残さのバイオガスはメタンや二酸化炭素などの混合ガスで、これらは東京ガスが供給する都市ガスの主原料LNG(液化天然ガス)には含まれていない成分が多いもの。そこでバイオエナジーと市川環境エンジニアリング、東京ガスの3社は2008年度からバイオガスを都市ガスとして利用するため技術検証を始め、2009年の精製テストでは都市ガスと同品質のバイオガス精製に成功しました。
バイオエナジーではバイオガスを都市ガス導管に注入するため、経済産業省の「バイオガス 都市ガス導管注入実証事業」補助金約3億円を受け、日本最大の食品残さメタン発酵処理プラントである、同社城南食品リサイクル施設にガス精製設備を新設。3社は2010-2019年度の10年間にわたり、精製したバイオガスを都市ガスとして供給する予定です。
バイオガスの買い取り価格は60円前後(初年度・1立方メートルあたり)で大口供給料金とほぼ同じで、ガス利用者には新たな負担は生じないとのこと。生ゴミから都市ガスを供給する、この事業。低炭素社会の構築に大きく貢献してくれることは間違いなさそうです。
関連するURL/媒体
http://www.kankyo-business.jp/news2011/20110126b.html