Energy
2011.05.24 高橋 彩
espresso #002:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by marc.thiele
アブダビで5月6日に開催されたオーガニックマーケットで、太陽熱を利用してエスプレッソを作るコーヒーメーカーのデモンストレーションが行われました。デモを披露したのは、再生可能エネルギー企業であるアブダビ未来エネルギー公社(マスダール社)。
鏡を使って太陽熱を一点に集め、その熱で作った蒸気でタービンを回転させて電気を生み出すこの技術は、集光型太陽熱発電(CSP)と呼ばれるもの。ソーラーパネルの中央に0.5リットルの水チューブが取り付けられており、その先端にコーヒーの粉を入れます。太陽の熱でチューブが温まると、チューブの中の水が短時間で沸騰してコーヒーの粉と混ざり、エスプレッソが出来上がるのです。同社がアブダビのマディナ・ザーイドに建設中の世界最大規模のCSPプラント「シャムス太陽熱発電所」(2012年7月に完成予定)の仕組みを親しみやすい方法で多くの人に伝えようと企画されました。
マスダール社は2006年、ゼロ・エミッションを目指すエコシティ「マスダール・シティ」の開発・運営のために設立された国営企業で、各地のCSPや太陽光発電、洋上・沖合いの風力発電など数々の再生可能エネルギープロジェクトに投資し、アブダビの「エネルギー需要の7%を再生可能な資源から生み出す」という目標に貢献しようとしています。
日本では震災以降、節電・節水、例年より早く始まるクールビズなど、「減らす」ことが重視されることが多いように感じます。しかしながら、今まで使っていたものを減らすのはストレスがかかるもの。仙台に住む私の両親からは、「卓上コンロの燃料がいつなくなるかストレスを感じたが、庭にあったソーラー懐中電灯が意外なほど役に立った」と、ソーラーパワーの威力を実感したという話も聞きました。「節約する」ことも必要ですが、新しい資源に注目し、その活用法を自ら探ることも大切なのではないでしょうか。
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