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バルセロナに、世界初カーボン・ニュートラルの人工スキー場計画

2012.02.22 高橋 彩

Ski Dubai:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by I Am Nikon D40

砂漠の街、ドバイの意外な名物のひとつがショッピングモール内にある人工スキー場です。現地の人々から観光客まで、季節を問わず人気のこのスキーリゾートを施工したオランダの会社が、今度はスペイン・バルセロナに世界初のカーボン・ニュートラルな人工スキー場を建設計画を進めており、注目を集めています。

開発を手掛けるのはオランダのスノーワールド社。バルセロナのB01アーキテクト社と共同で、3万9000平方メートルのドーム内にスケートリンクとスキーゲレンデを設置、2015年までの完成を目指します。従来の人工スキー場よりエコロジカル・フットプリント(人間がどれほど自然環境に依存しているかをを伝える物差しのひとつ)を削減できるよう模索しています。

このスキー場はバルセロナ南部の再開発プロジェクトの一部。同市市議会は工業地帯跡地をサステナブルな居住区に再開発する一大プロジェクトを計画しています。それによるとメタン、 太陽光、 それに世界最大級の都市公園・コルセロラ公園などの植物廃棄物を燃料とする3つの発電所を通じた熱供給・空調システムを活用予定。また、人工スキー場などで温度をマイナス10度まで下げるために使用されるのは、バルセロナ液化天然ガス(LNG)ターミナルの再ガス化システムです。

バルセロナ港に運ばれた液化天然ガスは、海水を使用して温められます。再ガス化する過程で発生した冷熱エネルギーが海に流れ出したり、海の生物を脅かしたりすることなく、建物の空調にうまく再利用することができ、雪を生成することができれば、バルセロナ・スノーワールドは世界初のカーボン・ニュートラルな人工スキー場となるのです。

環境への深刻な影響が問題視されているリゾート開発ですが、循環エネルギーを利用すれば「環境に優しいリゾート」というコンセプトも増えていくのではないでしょうか。

ドバイの人工スキー場では、ペンギンと触れ合える新アトラクション「ペンギナリウム」が2月にオープン、ペンギンを保護、繁殖させながら一般の人でもその生態を観察したり、エサをあげることができるしくみになっています。そんな楽しみながら学べる環境保護型のリゾートなら、観光に訪れた人々の環境への興味も喚起することができるかもしれません。



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このニュースの地域

バルセロナ、スペイン (ヨーロッパ/ロシア

高橋 彩