Energy
2010.06.03 関 和音
The Matsukawa Geothermal Power Station:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by jasohill
5月に来日した、米アース・ポリシー研究所所長のレスター・ブラウン博士。世界的な環境学者であるブラウン博士は、5 月26日に行われた都内の日本外国特派員協会の記者会見にて、日本の地熱エネルギー開発に対する提言を行いました。
ブラウン博士の主張は、日本は自国のエネルギー経済の中心に地熱を据えるべきであるというものです。ブラウン博士の指摘の背景には、「失われた10年」と呼ばれる日本の地熱開発の現状があります。
インドネシア、アメリカに次ぐ世界第三位の地熱資源量を誇る日本。しかし現在、国内全体の発電量の内、地熱発電が占める割合はわずか0.2%です。
発電設備の導入も、1999年の八丈島への導入を最後に進まず、日本の地熱開発は停滞期にあります。
しかし近年、国内の地熱発電を巡る風向きに変化が見られます。大きな資源ポテンシャルと国際産業育成の観点から地熱資源に対する注目が高まっており、秋田県の湯沢市では電源開発、三菱マテリアル、三菱ガス化学の3社による新会社「湯沢地熱株式会社」(PDF)が事業化に向けた調査を行っています。
今回のブラウン博士の提言が、日本の地熱開発のさらなる活性化を促すものとなることを期待したいと思います。
関連するURL/媒体
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2730249/5805532