Energy
2010.03.18 アマサワエンジィ
Atardecer industrial:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by Ixmith
国の助成金を利用して建設された大規模な太陽光関連施設が、たった2年で見捨てられる-。そんな事態に陥ってしまったスペインのプエルトジャノ市から、アメリカが学ぼうとしています。
かつては炭鉱のまちとして栄えたプエルトジャノ市。国の助成を得て厳しい財政を立て直そうと、太陽光発電の受け入れ姿勢を積極的に企業にアピールしました。努力が実り、2008年に大規模な太陽光発電所や太陽光パネル製造工場、再生可能エネルギー研究所が次々に設立され、まちには一瞬にして活気が戻ったと思われました。
しかしそれもつかの間、設計の欠陥が現れ始めたのです。国は採算のめどが立たないと判断し、2009年9月には早くも助成の減額を決定しました。
短期間でバブル景気が崩壊した背景には、寛容すぎた助成制度があげられます。政府は太陽光発電にこれまでで最も高額の補助を出しており、効率の低いソーラーパネルでも利益を十分に得られる形となってしまっていたのです。
アメリカではこの例を踏まえ、どのような助成制度が安定したグリーン企業の繁栄へ結びつくかを議論中です。ヨーロッパの太陽光発電事業に詳しいキャサディ・デライン氏は、今回はバブル崩壊を招いたとは言え、補助金によって、まずは太陽光関連企業を育てることの重要性を指摘しています。今後世界各地で普及される見込みのある太陽光発電。普及に弾みをつけるためには補助が有効ですが、実際の助成額や方法論は難しい判断のようです。
関連するURL/媒体
http://www.nytimes.com/2010/03/09/business/energy-environment/09solar.html?hp