Energy
2010.05.02 アマサワエンジィ
080316-F-2171A-096:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by The U.S. Army
軍事とエコは活動目的が大きく違うため、相互の関連性は薄くみえます。しかし、4月20日にシンクタンクのピュー慈善財団が発表した報告書(Reenergizing America's Defense)(PDF)によると、米軍は「国の安全保障、エネルギーの安全保障、経済、そして、気候変動の問題は密接不可分」とし、CO2削減に積極的に取り組む姿勢を明らかにしています。
それもそのはず、米国国防総省のエネルギー消費量は政府による使用量の80%を占めており、うち75%は軍用機、軍艦、戦車などに使われる液体燃料です。一日の消費燃料は約30万バレルとも言われ、エネルギー源を化石燃料に依存している点が問題視されてきました。中東情勢に敏感にならざるを得ないからです。
また、海軍は2020年までに海岸と海上で使う燃料の50%を化石燃料以外にすると発表。アブラナ科のカメリナから生成した混合バイオ燃料を使ったF-18 戦闘機「グリーンホーネット」の飛行実験も行いました。また、海兵隊も陸軍と共に、イラクの仮設施設の壁などに使われる素材を断熱性の高いものにし、75%のエネルギー消費削減を試みています。
歴史上、米軍がインターネットやGPSなど画期的な技術を生み出してきただけに、省エネや気候変動対策へ向けた技術の開発も期待されるところです。
関連するURL/媒体
http://www.grist.org/article/2010-04-20-u.s.-military-shrinking-its-carbon-boot-print/