Food
2013.08.18 大野 多恵子
消費されたカロリーが寄付に変わる「メタボウリング」
現在、世界では肥満で困っている人が10億人、飢餓で困っている人が10億人いると言われています。この問題を解決するために、カロリーを「余っている人から足りない人に分けよう」という発想から活動を始めたのがNPO法人メタボランティアです。ただ、実際にはカロリーを分けることはできないので、例えば、運動で消費したカロリーや低カロリー食で減らした分の脂肪をお金に換算し、飢餓で苦しんでいる人に寄付をするというしくみです。
2009年にこのNPOを設立したのは、ヘルスケアビジネスと広告代理店のエンターテインメント事業という全く分野の違う仕事経歴を持つ河野誠二さん。これまでの知識と経験を融合させ、「健康づくりは楽しくやらなくては」と思いついたのが、肥満と飢餓問題を同時解決するためのメタボランティアなのです。
主なプロジェクトは、「うごくメタボランティア」と「ヘルシーメタボランティア」の2種類。うごく(運動)の基本を「1キロカロリー消費=1円寄付」とすると、例えばフルマラソンは約2400キロカロリー(2400円)の寄付になり、ある国では120食の給食をプレゼントすることができます。こうしたプロジェクトを、スポーツ施設や企業の中に取り入れ、これまでボウリング場の協賛で「メタボウリング」、キックボクシング教室の協賛で、ミットのキックを行う「メッタ蹴り」などを行ってきました。
「ヘルシーメタボランティア」は、食事の摂取カロリーダイエットのプログラムです。一例として、おむすび専門店と共同開発したカロリー40%オフのこんにゃく米おむすびの売り上げによって、1おむすびfor 1 Mealとして、これまでにバングラディシュに給食2807食、パン2580食を届けることができました。また、ヘルスケアサイト企業の協賛で、健康管理データを登録する度に寄付となる「プラス1ミール」という取り組みもあります。寄付は、国際協力NGOピースウィンズ・ジャパンや、ハンガー・フリー・ワールドなどを通して行っています。
メタボランティアは、企業との連携ばかりでなく、大学のサークルや趣味の会、個人でも自由に取り入れることができます。カロリー消費できることなら、例えば温泉に入る、カラオケを楽しむなどでもいいのです。河野さんは、「自分が健康になることで、だれかも健康になることを考えると、モチベーションも上がります。いろいろなアイデアがあると思いますので、ぜひみなさんもできることをやってみてください」と呼びかけています。
企画の提案については、こちらまで。
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