Food
2014.02.07 大野 多恵子
食品関連企業から寄贈された食品を生活困窮者にお渡しする 写真提供:セカンドハーベスト・ジャパン
日本では、まだ食べられるものが年間500万トン~800万トンも捨てられています。それは、年間のコメ生産量に匹敵するほど。一方では、食べものがなくて困っている人たちが、同じ日本で6人に1人もいるという現状をご存じでしょうか? その問題を解決しようと、食べものを足りない所へ届ける活動をしているのが、セカンドハーベスト・ジャパンです。
活動の元となっているのは、アメリカでは40年の歴史を持つフードバンク。食品メーカーやスーパーなどで廃棄されている食品を生活困窮者のために届けるという取り組みが日本に取り入れられたのは2000年です。
現在の日本で、大量の食べものを捨てている理由とはどんなことでしょう? 農家では、予想以上の収穫、規格外品。梱包の段階では缶詰のへこみ、ダンボールの破損など。スーパーや小売店では特売で売れ残って在庫を抱えたり、商品の回転が遅く賞味期限が近づいたりすることなど挙げられます。本来なら十分に食べられる「もったいない」ものばかりです。
セカンドハーベスト・ジャパンの活動の柱は、そういった食べものを活用して、路上生活者への炊き出し、経済的に困っている人たちに直接食料を届けることなどです。失業や不安定雇用によって十分な収入が得られない人、福祉施設や児童養護施設の子どもたち、日本に住む難民、シングルマザーなど、食べものを必要としている人がたくさんいるのです。
では、私たちが、そういったことを実際に支援したいという場合、食品の寄付を企業単位、農業経営者単位で行うことができますが、個人としても寄付できるのです。家庭で使いきれない缶詰やフリーズドライ食品、お歳暮やお中元のギフトパックなど、宅配便でセカンドハーベスト・ジャパン宛てに送るという簡単な方法です。
また、職場や学校や地域のイベント、お祭りなど、人が集まる場所に家庭で余っている食べものを持ち寄る「フードドライブ」という方法もあり、セカンドハーベスト・ジャパンを通して、食べものが必要な所へ届けられます。
もったいない食べものを生かし、少しでも多くの人が均等に食べられるような社会を目指し、私たちもできることから始めてみませんか。
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