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2014.10.28 平澤 直子
Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by fto mizno
「震災のとき、はじめて口にしたものはなんでしたか?」
宮城県仙台市にあるせんだいメディアテークで、こんな問いかけから始まる展示が行われています(11月16日まで)。炊き出し、買い物、食卓の風景。東日本大震災直後の市民生活を撮った写真が展示され、訪れた人たちはそれらを見て思い出した震災直後のことをふせんに書き、写真の周囲に貼ることで、みずから展示に参加することができます。
この展示の主催は、何気ない市民生活のひとコマの画像・映像を収集・保存しているNPO法人20世紀アーカイブ仙台と、以前地球ニュースでも紹介した、せんだいメディアテーク内の3がつ11にちをわすれないためにセンターです。同センターではこのほかにも、言い出せないことばを話すきっかけを作る「『こえシネマ~映像で話す場所』」など、2011年5月の開設の際に打ち立てた理念どおり、主要メディアが取り上げる大きな動きよりも、そこに取り上げられない、被災地の市民の生活を大切にし、市民が震災と向き合い再始動に向けたきっかけをつかむためのさまざまなプロジェクトを企画・開催しています。
そのプロジェクトのひとつ、「3.11定点観測写真アーカイブ・プロジェクト」では、市民が撮影した宮城県各市町の写真を集め、これをもとに撮影者を囲んで震災体験やその後の生活、復興についてなどを語り合う公開サロンを定期的に開いており、14回目の11月15日は「3月12日はじまりのごはん」を題材に、被災後の暮らしを語り合う予定です。
震災から3年半、震災直後の緊張感が薄れるとともに、被災地ではいまだ助けが必要な人がいることを忘れてしまいがちです。もののないコンビニ、ろうそくでのごはん。そういった写真を見ることで、被災地を思い、また今後の災害に備えるきっかけになるのではないでしょうか。
なお、Twitterでも「#はじまりのごはん」のハッシュタグをつけることで同展に参加することが可能です。会場に足を運べない方はこちらをどうぞ。
関連するURL/媒体
http://recorder311.smt.jp/information/38303/