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2010.08.16 奥山 賢治
高齢化や過疎化の影響で、耕作をやめ、放置したままの畑、遊休農地が増えています。いざ、草木が生い茂った遊休農地を畑に戻そうとしても、手間もコストも時間もかかってしまうもの...。
そこで、山梨県の甲府市右左口(うばぐち)町と牧丘町北原とで取り組み始めたのが、「レンタル牛」です。そう、放牧した牛に、遊休農地の雑草を食べてもらい、畑へ再生してもらおうということなのです。
レンタル牛による雑草処理手法はいたってシンプル。牛が逃げないように、遊休農地周辺に太陽光発電の電気牧柵を設置。繁殖用の雌牛を放牧。4歳以上で、妊娠している雌牛は性格がおとなしいため、力の弱い女性にも扱いやすいとのこと。管理は定期的に牛の健康状態、水、食用塩の確認をするだけ。牛1頭の草食力は1日あたり約40キロ。えさ代をかけずに牛を飼育し、低コストで畑を蘇(よみがえ)らせ、さらにイノシシやシカなどによる食害予防や里山保全も期待できます。
山梨県ではレンタル牛を2010年度からの2年間、県のモデル事業として実施予定。この事業を展開させるべく、期間中は牛を無料でレンタルしており、2013年には一般畜産農家の牛を貸し出す「レンタル牛バンク」の設置も計画しています。
実はこのレンタル牛、山梨のみならず、各地で注目され始めている取り組みです。島根県や山口県阿武町でもレンタル牛の放牧は実施されており、高知県室戸市ではレンタル牛の育成も行われています。今後、全国各地でレンタル牛が脚光を浴びることとなりそうですね。
関連するURL/媒体
http://www.sankeibiz.jp/econome/news/100808/ecc1008080700001-n1.htm