Food
2011.04.07 岩井 光子
被災地で長引く避難生活。子育て経験のあるママたちが気になるのは、やはり乳児とお母さんのこと。ストレスで母乳が出なくなっているお母さんたちはどうしているのだろう? 粉ミルクはあっても、ミルクを溶かす安全な水やお湯がなくて困っているのでは? 避難所では夜間の調合もきっと大変なはず...。
フィンランド在住の竹本悦子さんたちが被災地に届けられないかと考えたのは、フィンランド製の乳児用液体ミルク。紙パック入りで調合不要。水やお湯がなくても手で開封してすぐに飲ませることができ、未開封なら常温で5カ月間の保存が可能。非常時での便利さや栄養価は、フィンランドで子育てを経験したお母さんたちのお墨付きです。
3月18日から竹本さんがTwitterでこのミルクを有志で購入して日本の被災地へ送る案を呼びかけたところ、たくさんの賛同者が集まりました。ミルクは竹本さんが友人のタケダ聖子さん、ティエンスめぐみさんと電話で直接交渉した結果、Nutricia社から割引購入できることになり、フィンエアーが無償で日本まで運んでくれることも決まりました。第1便として新生児用(0-6カ月)と6カ月-1歳児用の「Tutteli」2000個を有志の募金で購入。日本語の成分表示や飲み方を記したシールや通関書類も作成しました。
問題は成田空港から受け入れ先の支援団体までの配送でしたが、これもTwitter経由で続々と申し出とアイデアが集まり、3月29日、無事に石巻市内で活動する支援団体「ヒューマンシールド神戸」に送り届けることができたのです。使用した石巻のママたちからは、「まだ電気が通っていない地域も多いので、使い勝手の良いミルクは助かる」「牛乳がないので2歳児に飲ませたが、おいしいと喜んでいた」などとうれしい声が届きました。
現在は第3・4便が動いています。第3便は民主党議員のツルネンマルテイさんの事務所スタッフが、自家用車で福島県内の被災地に届けるとのこと。竹本さんたちの一連の活動は広報を担当するヘイモラ美紀さんのブログやTwitterアカウント@TuttelitoJapanで見られます。関連情報のハッシュタグは#AutaJapania(Help Japanのフィン語)です。
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