Food
2010.05.27 河内 秀子
パニックを逃れたBiolandのオーガニック卵
5月上旬、ドイツ中を怖いニュースが駆け巡りました。有機認証を受けている卵から、ダイオキシンが発見されたというのです。事件は北部のニーダーザクセン州の消費者保護・食品安全局の検査で、有機認証を受けた農家の卵から高濃度のダイオキシンが検出されたことから明らかになりました。
その後の検査により、発生源はオランダの飼料会社「ForFarmers」が飼料用に、ウクライナから輸入した2,500トンのオーガニックトウモロコシだとわかりました。
「ForFarmers」のスポークスマン、ヴェスターホフは「乾燥させる段階でダイオキシンの汚染が発生したようだ」とコメント。同社はさらに、ドイツで15軒、オランダで8軒の農場に、この汚染されたトウモロコシを使った飼料を納入したと発表しました。
ドイツのディスカウントスーパー「Lidl」や「REWE」は該当するオーガニック卵の販売を中止し、回収を始めました。有機農業協会「Bioland」や、オーガニックスーパー「Alnatura」などでは、ウクライナから輸入されたトウモロコシを使用していなかったため、このパニックを逃れました。
オーガニックがブームとなり、世界的な不況にも関わらず市場も成長、低価格化が進む中に起こったこの問題は、グローバル化が進むオーガニック市場の在り方や、これからの姿勢を考える問いかけとなりそうです。
関連するURL/媒体
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/4182029.stm