Forest
2012.06.15 瀬戸 義章
福島の子どもたちを招待した「福島っこ 元気村キャンプ」
photo by minnanomori
JR新宿駅からホリデー快速を使うと、1時間で武蔵五日市駅に到着します。改札を出て、ロータリーで車に乗り合わせ、走ること10分。もうそこに「みんなの森」がありました。ほんの少し足を延ばすだけで、木漏れ日のやわらかい光と、香りを帯びた潤いの風と、無限の緑を楽しむことができる場所があります。
いつのまにか私たちは、遠い遠い山の中にしか「森」は無いのだと思っていたのかもしれません。しかし、実はすぐそばにあるのです。なにしろ、ここも「東京都」なのですから。
東京都西多摩郡日の出町の「森」をもっと開かれた「遊び場」にしようと活動しているのが、「みんなの森財団」です。もともと森林整備ボランティアとして活動していた園田安男氏が、森をより自由な場所にするという理念のもと、2年前に仲間と共に立ち上げました。3つの森を共同購入し、それぞれ「冒険の森」「銀の森」「景観の森」と名づけて日々手入れをしています。
「冒険の森」は、子どもたちが駆け回れるように整備された場所。滝や川で遊べたり、岩登りが楽しめます。「銀の森」は、シニア向けに整備している竹林と雑木林で、山菜を摘んだり、タケノコを掘ったりすることができます。また、「景観の森」では、現在、杉の木を広葉樹へと植え替える作業が行われています。
みんなの森では、定期的にイベントが開催されています。ゴールデンウイークに行われた2周年記念パーティーでは、タケノコ料理が振る舞われ、築250年の古民家で音楽ライブが開かれました。このときの参加者は96人。多くの家族連れでにぎわいました。
常連参加者の男性は、「4歳の息子が、山の斜面でも物怖じせずに歩けるようになった」と言います。街の中にいるだけでは分からない、危険を回避する力、生きる力が育つというわけです。ちなみに、園田氏のようなプロになると、「森は跳ぶところ」だとか。
「体験の場」であり「学びの場」であり「癒やしの場」である「森」に、みなさんもぜひ立ち寄ってみてください。
なお、今夏は、小学校高学年を対象に、「森のサバイバル実験室」というイベントを開くそうです。内容は「古式火起こしの道具作りと火起こし」「野外でのごはん作り」「竹の食器作り」「ビニールテープを使ったハンモック作りとキャンプ」「野外救命救急」など盛りだくさん。お問い合わせはこちらへどうぞ。info@minnanomori.org
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