Health
2016.06.10 平澤 直子
みなさん、女子力と聞いて、何を思い浮かべますか? メイクが上手にできること? ネイルを欠かさないこと? それともお料理が得意かどうか?
この動画を見てください。
「新・女子力テスト」と題されたこの動画では、「女子力ってなんだろう?」の文字のあとに、「Q. 自分でコンドームを買ったことがある」「Q. パートナーに避妊を求めることができる」など、性にまつわる少し過激な質問が並びます。
この動画のアップロード元は「I LADY.」。途上国の女性のリプロダクティブ・ヘルス/ライツ(※)の問題に取り組む国際NGOジョイセフと、同団体とともにGirl Meets Girlプロジェクトなどを作り、日本の若い女性に支援を呼びかけてきた電通ギャルラボが、今度は日本の女性に自分の体のことを知り、自分を愛し、自分を大切にしてもらおうと展開している「I LADY.キャンペーン」の一環です。
現在世界では、妊娠や出産が原因で1日に約830人(2015年12月現在)が命を落としており、10代の女性の最大の死因は妊娠や出産となっています。一方医療設備の整っている日本では、妊娠や出産で命を落とすことは少ないものの、10代で出産する女性は1週間に229人、人工中絶件数は年間18万件にものぼります。このデータから、日本の女性もまた、自分を大切にする必要、自分を守る必要があることがわかりますね。
本キャンペーンでは、「LADY=真の女子力のある人」と考え、「真の女子力」を「Love, Act, Decide Yourself(自分を大切にし、自分から行動ができ、自分らしい人生を自分で決める力)」と定義しています。同キャンペーンを主催するジョイセフの小野美智代さんは、「キャンペーンの根底にあるのが『Love Yourself』。自分自身を愛せないと他者も愛せません。自分を大事にできてはじめて、他人のことも大事にできる」と語ります。また、「仕事を通じて出会う途上国の女性たちは、日本よりも自己肯定感が高いなと感じます。たとえば、ファッションや髪型ひとつとっても、好きな柄、好きな色、好きな形を選ぶ。個性が際立つ彼女たちは、何よりも自分自身のことを信じているんでしょうね。その一方で、日本では流行を追うことが多く、空気を読んだり周囲から浮かないことを大事にしますよね。途上国の彼女たちの自己肯定力からは、刺激を受けることが多いです」と、日本人女性の自己肯定感の低さを指摘します。
日本の若い女性にはまず、「もっと自分に自信をもって能力を開花させてほしい。そしてこの世界を良くするためにその力を活かしてほしい」と小野さん。本キャンペーンサイトでは、エンパワーメントの基本である「女性の健康」に着目し、質問に答えて自分の真の女子力を測れる「新・女子力テスト」のほか、女性のリプロダクティブ・ヘルス/ライツに関するコラム、インタビューなど、読み応えのあるコンテンツが用意されています。またジョイセフのサイトでは、1本につき100円が途上国の女性の健康を守る活動に使われる「アイレディリボン」や、1個500円のうち200円が途上国の女の子支援に使われる「チャリティーピンキーリング」などが販売され、買い物をとおしての支援・意思表示も可能です。
チャリティーピンキーリングシリーズに新たに加わった「I LADY」バージョン
友だちと一緒にコラムを読む、イベントに参加する、お子さんと一緒に「新・女子力テスト」をやってみる、お孫さんにリングを買ってあげる。いろいろな参加のしかたがあります。ぜひ自分にあった方法で、まわりの女性・女の子に「I LADY. キャンペーン」を知らせ、自信をもつきっかけを作ってあげてください。
※女性が身体的・精神的・社会的な健康を維持し、子どもを産むか産まないか、いつ産むか、どれくらいの間隔で産むかなどについて選択し、自ら決定する権利のこと。
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