Health
2010.03.07 岩井 光子
Mothers queuing for treatment, Sindo District Hospital, Nyanza, Kenya:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by DFID
3月1日、ケニアのナイロビにあるアフリカ医療・研究基金(AMREF)で母子手帳のワークショップが開かれました。
日本のお母さんにとってはおなじみの母子手帳ですが、妊娠時の健診データから出産時の様子や胎児の大きさ、また成長に従って受ける各予防接種などの記録が一冊にまとまった「ハンドブック」は日本独自のもので、海外では例がなかったそうです。
これまでも1980年代、タイやインドネシアの医師が母子手帳の使い勝手の良さにほれ込み、自国で開発を手掛けた例があります。
今回普及が始まるケニア始め、東アフリカ8カ国では、妊娠・出産・予防接種などを記録したカードがすべて別々でしたが、これらが集約されれば、初診の医師でも子どもの受診履歴や成長状況がひと目でわかるようになります。
ワークショップにはJICAの国際協力専門員のほか、アフリカ各地での地域医療の向上に長年尽力してきたケニア国家エイズ対策委員長のミリアム・ウェレ博士が参加。
これまで世界14カ国の母子保健の向上に貢献してきた母子手帳は、識字率の低いアジアの国々ではイラストや図を多用するなど、独自の発展を遂げてきました。
ウェレ博士はその成果に着目。5歳未満児の死亡率が世界最悪の水準とされるサハラ砂漠以南のアフリカでも、母子手帳が新たなコミュニティー・アプローチとして大きな役割を果たすのではないかと、期待を寄せています。
関連するURL/媒体
http://www.nation.co.ke/News/-/1056/871194/-/vr4yoy/-/index.html