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先人の智恵が詰まった古民家を残すためにできること

2013.05.30 美ら地球ジャーナリスト

お手入れが進む飛騨最大級の旧家と新オーナー

岐阜県飛騨市にある地元名士の旧家。20年近くも空き家だったこの家が、新しいオーナーのもと、息を吹き返そうとしています。

新たなオーナーは地元有志。「飛騨の150年の歴史を語れる民家を何とか後世に残したい」と立ち上がりました。このお宅は明治3年(1870年)に建てられたもので、土間、囲炉裏、かまどなどはそのまま残り、蔵も複数ある非常に貴重なお宅です。

県の依頼を受け、2009年から3年に渡り、地元の観光コンサルティング会社美ら地球(ちゅらぼし)が行った飛騨地域の民家調査では、1300軒近くの該当民家のうち、約2割は既に空き家、2人以下で居住しているケースは半数近くということがわかっており、このままでは20年後には半減してしまうと危惧されています。今回の民家は調査した中でも歴史も古く、規模も最大級。文化財級のお宅のひとつです。

金具を使わない伝統構法で建てられた民家は先人の知恵の詰まった日本の財産。また柱・梁(はり)・床板などは再利用でき、再利用の難しい土壁などは自然に還すことができます。戦後は、「古い、暗い、寒い」などと言われ、洋風の建材・構法で建てられた家が急速に普及しましたが、今ではその持続可能性から日本の民家の造りが逆に見直されています。

民家が失われれば、周辺の里山も衰退し、そこで培われた文化も失われます。
伝統的な民家が消滅してしまう前に、一人でも多くの方がその価値に気づき、継承につながることを祈るばかりです。

6月には「第18回飛騨の民家のお手入れお助け隊」のボランティアによるお手入れが、この民家で予定されています。この機会に貴重な民家に触れ、魅力を発見してみてはいかがでしょうか。



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このニュースの地域

岐阜、日本 (日本

美ら地球ジャーナリスト