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2013.11.07 平澤 直子
このハチが目印です © 日本環境設計株式会社
毎日使ったコーヒーのタンブラー、なんとなく置きっぱなしの古いメガネ、お子さんの思い出の詰まったプラスチックのオモチャ。捨ててしまったらただのゴミになるこれらの製品、新しい未来に貢献させてみませんか?
タンブラーもメガネもオモチャも、大部分はプラスチックでできています。ところが、同じプラスチックでも、容器包装リサイクル法にのっとって分別回収されるペットボトルなどとはことなり、同法の対象外となる生活用品はその多くがリサイクルされることなく焼却・埋め立てされているのが現状です。これらをリサイクルして高度な循環型社会を形成するために、11月15日から、環境省はプラスチック製品回収・リサイクル実証社会実験「PLA-PLUS(プラプラ) プロジェクト(事務局:日本環境設計)」を開始します。
今年度で3回目となるこのプロジェクトは、以前地球ニュースでも紹介した「FUKU-FUKU プロジェクト」の姉妹プロジェクトで、同プロジェクトと同じく店頭で回収されます。今回も、良品計画をはじめ、イオン、スターバックスジャパン、ビックカメラ、日本トイザらスなど、消費者になじみの深い46社(うち22社で回収を実施)が参加し、「FUKU-FUKU プロジェクト」でおなじみのハチのキャラクターの描かれた回収袋を40万人に配布する予定です。
回収されたプラスチック製品は、溶かされて再度プラスチック原料やプラスチック製品になったり(マテリアルリサイクル)、科学的に分解されて油などの化学原料に再生されたり(ケミカルリサイクル)するほか、新たなリサイクルの可能性の検討に役立てられます。
2011年のデータによれば、ペットボトルを含むプラスチックゴミ952万トンのうち、マテリアルリサイクルされるものは22%、ケミカルリサイクルされるものは4%と少ないですから、新たなリサイクル技術が必要なのでしょう。もちろん、残りの74%がすべて何の役にも立っていないわけではなく、52%はサーマルリサイクルされていますが、プラスチックを焼却して熱エネルギーを回収したり固形燃料にする際に排出される温室効果ガスが、焼却せずに埋め立てた場合に出るメタンガスの量などと完全には相殺されないといった問題もあるためか、環境省は、循環型社会形成推進基本法で、サーマルリサイクルよりもマテリアルリサイクル、ケミカルリサイクルを優先すべきと定めています。
環境負荷の少ない新たなリサイクル方法を確立して、よりクリーンな未来を作る。そんな夢の過程に、あなたの大切な品を役立たせてみませんか? 回収店舗および回収時期をこちらで確認のうえ、お持ち込みください。
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