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2011.11.08 アマサワエンジィ
「もっとエコな生活がしたいけれど、複雑そうでどこから手をつけていいのか分からない」「あれこれ調べている時間がない」。そんな忙しい人のお手伝いをするエコ・コンシェルジュのサービス業者が近年アメリカ各地で増えています。
個人コンシェルジュはそもそもホテルで行われるサービスでしたが、10年ほど前から一般家庭を手がける会社が増えました。ニッチビジネスではありますが、環境意識の高まりと共に需要も増え、ここ数年で少なくとも全米で6社がエコ・コンシェルジュ業を立ち上げています。
例えば、テキサス州ヒューストンを拠点にサービスを繰り広げるEco-Modern Conciergeは、顧客に頼まれた用事を済ませるのに環境負荷が少なく、渋滞に巻き込まれないスクーターで移動し、買い物には必ずエコバッグを持参。そして食べ残しはホームレス施設へ届けるサービスまで行います。エコ製品によく記されているさまざまなエコラベルの確認・調査も行い、さらにはペットの世話を任せられると、手作りでビーガン(肉や魚、卵や乳製品を使わない)のおやつとリサイクル製品のおもちゃを与えるのです。
一方、顧客側のエコ意識は、通常の家事手伝いの依頼をきっかけに徐々に高まっていく場合が多いとか。ミズーリ州セントルイスに住むトレイシー・スタンパーさんは、喘(ぜん)息もちの夫の負担を軽減するために地元のHerb'n Maidに家の掃除を委託。トレーシーさんは担当のエコ・コンシェルジュに自然素材のヘアカラー剤を使っている美容院を勧められるなどして、環境負荷の少ない製品に関心が向くようになり、夫は屋根裏用に太陽光パネルで動く扇風機を購入するまでになりました。
現状では、こうしたサービスは主に富裕層向け。小さな一歩一歩が積み重なって大きな動きへと変わるためにも、エコ・コンシェルジュがもっと手軽に利用できるようになるといいですね。
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