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2010.02.23 宮原 桃子
ドイツは環境やフェアトレード先進国のイメージがある一方、たくさんの激安チェーンも存在します。例えば、安くて有名なスーパーALDIでは、500グラムのパスタが約50円。激安衣料品店KiKでは、約500円のTシャツや約1000円のジーンズがそろいます。この種のチェーンは、各国に店舗を展開するほど拡大しています。
その一方、「激安商品はなぜ安い?」と社会に問いかけ、フェアトレードを推進するキャンペーンが展開されています。
「The Clean Clothes Campaign (CCC)」は、衣料品産業の労働環境改善キャンペーンを展開。また「Supermarkt-Initiative」では、ドイツの23団体が激安チェーンの陰にある低賃金労働や過酷な労働環境への反対キャンペーンを展開。いずれも消費者に対する意識改革や不買の呼びかけだけでなく、企業側にも直接改善を訴えています。
例えば昨年、小売業大手METRO(本社、独デュッセルドルフ)のバングラデシュ衣料品下請け工場で18歳の女性が過労死。この事件を機に長時間労働・賃金未払い・暴力など劣悪な労働環境による被害が次々と明らかとなりました。この際、前述のCCCなどがMETROに直談判し、消費者に訴えたことで、企業側の改善を後押ししました。
企業に対して大きな影響力を持つ、社会的キャンペーン活動。しかし、一番の力を持つのは私たち消費者です。安いことは必ずしも悪いことではありませんが、激安商品がなぜ安いかを消費者がまず考えることが大切なのです。
関連するURL/媒体
http://www.spiegel.de/international/business/0,1518,652369,00.html