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オリバー・ストーン「中南米への偏向報道」に挑む

2010.06.15 関 和音

「ウォール街」(1987年)などの作品で知られる、オリバー・ストーン監督の新作ドキュメンタリー「South of the Border」 が、6月25日より全米公開となります。

中南米で繰り広げられる社会運動や政治的な活動は、しばしば実情よりはるかに過激なイメージを伴い、報道されます。ストーン監督は自ら中南米を訪れ、ベネズエラ、ボリビア、ブラジルなど7カ国の首相との対話を行うことで、マスメディアの報じる中南米の姿と現実との違いを描き出そうとしています。

制作にあたり、ストーン監督に強い影響を与えたのがベネズエラのウゴ・チャベス大統領です。ストーン監督は、チャベス大統領の語り口を「米国やアングロサクソン系のメディアは理解していない」と言います。

昨年のCOP15の際には「もしも気候が銀行であったなら、彼らはとっくにその危機を救っていただろう」と発言し、先進国への批判を展開したチャベス大統領。

今年の4月にはボリビアのエボ・モラレス大統領の呼びかけにこたえ、「気候変動および母なる大地の権利に関する世界民衆会議」に参加しています。会議では、コペンハーゲン合意の対案として、「母なる大地」と人類の未来を守るためには資本主義システムを変更することこそが重要だと指摘する「コチャバンバ合意(民衆合意)」が採択されました。

先進国のマスメディアが伝える、中南米の姿。そして、ストーン監督が光を当てる中南米の「現実」。私たちは「現実」を知ること無く、ついついメディアの伝える「イメージ」を鵜呑みに、物事を考えてしまってはいないでしょうか。

「South of the Border」の日本公開は残念ながら、今のところ未定です。日本で見ることが出来る日を期待しましょう!



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アメリカ (南北アメリカ

関 和音