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2011.07.16 岩井 光子
3.11の大震災以降、Twitterなどソーシャルメディアの利用者が急増し、ネット上での情報共有や意見交換がより活発に行われるようになりました。今起きていることについて、情報を即座に発信したり、収集できる利点は素晴らしいものですが、すべての人が毎日ネットをチェックしているわけではありません。高齢者への普及率はまだ3割ほどと低く、ネット上では当たり前と思われている情報が、ネットを逐一チェックしない人の耳には届いていない場合もあります。
そうしたインターネットを利用しない人たち(オフ・インターネット層)とも広く支援情報を分かち合っていきたいと考え出されたのが、東日本大震災復興支援新聞「bloblo(ブロブロ)」(発行人・青山一郎、編集人・橘川幸夫)です。企画に賛同した首都圏の朝日・読売の新聞販売店が協力し、7月3日、創刊号約10万部が新聞に折り込まれ、配布されました。
紙面構成の軸となるのは、被災地を応援するユニークな支援情報の数々。創刊号では震災後、発行部数が激減した東海新報を始めとする被災地の新聞を購読する支援や、ネット環境にない避難所の人たちに代わって必要物資や支援のニーズを聞きとり、特設サイトのマップに掲載する東北学院高校生たちの活動「Messenger311」などを紹介しています。
また、巻頭ページを飾るのは、被災地の支援者を支援する通販情報。初回は、『ブッダとシッタカブッダ』などの人気作で知られる漫画家の小泉吉宏さんがイラストを描いたTシャツを販売する「Tシャツプロジェクト」。地域に密着した新聞販売店網を生かし、商品の発送や集金は新聞販売店が引き受けるという仕組みで、購入価格の2割を購入者が選んだ支援団体に寄付できます。
「ネットもやっていない、普通の人たちと語り合うメディアを作りたいと思った」と橘川さん。被災地の人々や支援者の声が行き交う心温まる「場」を作っていきたいと、現在編集室では投稿記事や支援情報を大募集中です。
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