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2010.07.30 宮原 桃子
RUHR.2010 / Manfred Vollmer
イスタンブール(トルコ)とペーチ(ハンガリー)とともに、2010年の欧州文化首都となっているドイツのルール地方。今年は年間を通じて「RUHR2010」という文化イベントを行っており、目玉の一つである「Still-Leben Ruhrschnellweg(静かな暮らし-ルール高速道路)」が7月18日に開催されました。
当日は、ルール地方のドルトムントとドゥイスブルクをつなぐ60キロの高速道路(アウトバーン)が封鎖され、2万台を超えるテーブルを並べた「世界一長いテーブル」が出現。アートやダンス、演劇、歌、楽器演奏などが繰り広げられたほか、ビアガーデンなどの屋台も並び、各テーブルで参加者が多様な「文化」を紹介し合いました。
この間、道路は歩行者、自転車、スケーターなどに開放され、自動車はシャットアウト。自動車の通らない高速道路=イベントのテーマである「静かな暮らし」、となるはずだったのですが、当日は300万人以上の人が訪れ、人と自転車の渋滞が起こるなどの盛況ぶりでした。
高速道路を封鎖することで、文化のみならずエコロジーも盛り上げるイベントが開催されたことは、いかにもドイツらしいやり方と言えます。ただ、ドイツ名物とも言える高速道路のスピード無制限をやめれば、もっとエコロジカルで「静かな暮らし」ができるはずなのですが、その議論はなかなか結論に至らないようです。
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