Energy
2009.07.29 中川 真琴
グリーンランドでは、北極海に生息するニシオンデンザメの肉をバイオ燃料として使うかどうか、現在その是非が問われています。
体長7メートルにもなるニシオンデンザメは有毒で、食用には適しません。しかし毎年何千頭ものニシオンデンザメが漁師の網に掛かって死んでしまい、ゴミとして海に廃棄されているそうです。そこで西グリーンランドにあるデンマーク技術大学の研究機関、北極圏テクノロジーセンター(ARTEK)ではこのサメの肉からバイオガスを作り、2450人が住むイヌイットの町ウマナックに電気を供給できるか研究を進めています。このサメは漁師の網を食いちぎったり、他の貴重な海産資源を食べつくしたりするとして、地元の漁師もこの案に賛成です。
一方、国際自然保護連合(IUCN)やWWFデンマークはこれに反対しています。WWFのアン=マリー・ビャウ氏は、「ニシオンデンザメは北極海にしか生息しておらず、その生態はほとんど知られていません。生息域が限られており、個体数も確認されていない海洋生物の商業的利用には反対です」と述べています。
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http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5jZYaPI6X7WN8mk_GAsM1-YGzW_ZQ