Climate Change
2009.10.08 アマサワエンジィ
9月22日、NYの国連本部で国連気候変動サミットが開かれました。各国首脳が難しい課題に立ち向かうなか、近年の気候が比較的安定していることから、アメリカでは地球環境に配慮した国際条約や環境法制定に取り組む勢いが弱まるのではないかと懸念する声も上がっています。2009年の平均気温は10年前の1999年と比べてわずか0.08度の上昇でした。
海流の動きには周期があることを発見したドイツ・キール大学のモジブ・ラティフ教授は、今後10年間ほどの気温は、その周期が関係して比較的安定するだろうと予想しています。一方、ラティフ教授の予測に反論する気象学者は、気候変動はそのような短い期間では確実な予想はできないとしています。どちらにせよ、ほとんどの気象学者は、人類が温暖化効果排出を抑えなければ、長期的な地球温暖化の傾向が変わるわけではないという見方で一致しています。そして英気象庁は「気候安定の期間は終わる」との予測を8月に発表しています。
しかし、政策立案者や企業、そして一般市民の間で気候変動に関する正しい理解が浸透していないのが現実で、近年の気候の安定から、地球温暖化への取り組みは大げさだととらえてしまう人も少なくありません。今後、一時期の気候緩和を理由に環境への意識が薄れたり、環境法の立法が後回しにならないことを願います。
関連するURL/媒体
http://www.nytimes.com/2009/09/23/science/earth/23cool.html?th&emc=th