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フィリピン台風16号災害、パヤタス地区の復興のかたち  vol.2

2009.10.30 中川 真琴

◆地域に根ざした緊急支援

そんな中、パヤタス地区ではPICO(Payatas Integrated Cooperative Operation:パヤタス生活協同組合)のメンバーが、認定NPO法人アジア日本相互交流センター・ICANと協力して、被災者支援を行っています。1997年からパヤタス地区で地域住民とともに医療支援を行ってきたICANは、2000年からゴミ山に頼らない生活手段の確立にも取り組んでいました。PICOは住民とICANが行ってきた一連の活動の中から誕生した組織です。災害発生後、PICOとICANは通常の医療活動を強化。ICANが寄付金や衣類を集め、PICOが被災家庭リストを作り、衣類、米、缶詰などの救援物資も配布しました。

PICOとICANの緊急支援は、コミュニティーに根ざしています。緊急支援といえども、外部の人がいきなり救援物資を配布したところでは、物資の奪い合いや、有力者による物資の横領、もらえた人とそうでない人の間の妬(ねた)みあいなどが起きました。一方PICOは、通常の活動である巡回医療の際に地区の家庭を回り、最も支援を必要とする家庭を事前に選定。60世帯に配布した後も「どこからも支援物資を受け取っていないが、緊急支援を必要としている世帯がまだたくさんあるはず」とPICOは考えています(vol.3に続く)。

写真:PICOから救援物資を受け取る住民(撮影協力:ICAN)



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マニラ・フィリピン (アジア/オセアニア

中川 真琴