Biodiversity
2009.11.11 高田 久代
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干潮時にうける太陽からの熱ストレスを和らげるため、海水を吸い上げて体温を調節するしくみをもったヒトデがいることをアメリカの研究チームが明らかにしました。このヒトデが吸い上げる海水量を人間で例えると、照りつける日差しに出る前に、なんと7リットルもの水を飲むことになるそうです。
研究の対象となったのは北アメリカ太平洋側の潮間帯に生息するマヒトデ科のヒトデ。海水に浸っているときは少しずつ移動しながらムール貝を食べますが、潮が引いている時は身動きが取れず直射日光にさらされます。研究者たちは、干潮時にはえさを食べないにもかかわらず、高温にさらされたヒトデの重量が増えることに注目。ヒトデが海水を取り込んで重量を増やすことで、体温の上昇スピードを和らげていることを突きとめ、学術誌『アメリカン・ナチュラリスト』に発表しました。
「動物界における全く新しい体温調節機能を発見した」とフランソワ・ラブレー大学(フランス)のシルベイン・ピンスボード博士らは研究成果を発表する一方、地球規模の気候変動が引き起こす海水温の上昇がヒトデの体温調節機能に深刻な影響を与える恐れがあると心配しています。
関連するURL/媒体
http://news.bbc.co.uk/earth/hi/earth_news/newsid_8328000/8328311.stm