Biodiversity
2009.12.08 高田 久代
Hammerhead shark: Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by bonguri
かなづち型の頭をもつシュモクザメは、360度立体的に見渡せる視野をもっていることが新しい研究から明らかになりました。シュモクザメの特徴的な頭の形の謎を解く手がかりになりそうです。
200年以上前にシュモクザメの存在が確認されて以来、その視野については議論が続いてきましたが、実際に実験が行われたことはこれまでありませんでした。そこでアメリカの研究者チームが、世界各地の海に生息する3種類のシュモクザメに脳の活動を測るセンサーをつけて水槽に入れ、水平方向や垂直方向に孤を描くように当てた光線に目がどのように反応するかを調査。頭部の両端にわずかに前方に傾いてついている目によって、シュモクザメは進行方向がしっかり見えるだけでなく、泳ぎながら上や後ろも360度立体的に見えることがわかりました。シュモクザメの特殊な目は獲物を的確に捕らえるためだけでなく、より大型のサメをいち早く見つけ自らの身を守ることにも役立っていると考えられます。
研究成果は12月15日付の実験生物学会誌(the Journal of Experimental Biology)に発表されました。
関連するURL/媒体
http://news.bbc.co.uk/earth/hi/earth_news/newsid_8376000/8376740.stm