Peace
2015.02.25 平澤 直子
ダボス会議でHeForSheキャンペーンについて話すエマ・ワトソン:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by UN Women
2月22日(現地時間)、アメリカのハリウッドでアカデミー賞の授賞式が開催されました。その際、映画「フォックスキャッチャー」で主演男優賞にノミネートされていたスティーブ・カレルがHeForSheカフスを着けていたことから、女優でUN Women親善大使でもあり、UN WomenのHeForSheキャンペーンの提案者でもあるエマ・ワトソンが、ツイッター上でスティーブ・カレルに謝意を示しました。
HeForSheキャンペーンは、ジェンダー平等の達成を男性にも呼びかけるもので、昨年9月に始まりました。キャンペーンホームページを開くと、トップには以下のメッセージがあらわれます。
「ジェンダー平等のムーブメントは元来女性による女性のための運動と考えられていたが、最近、男性らが立ち上がり始めた。女性や少女が直面する不平等や差別を指摘し始めたのだ。今こそ我々は力を合わせるときだ」
この画期的なキャンペーンの開始にあたり、エマ・ワトソンは国連本部でスピーチを行いました。男性が当事者意識を持たないことにはジェンダーの問題は解決しない、男女双方が性的固定観念から自由になるべきだとする画期的なスピーチでしたが、このスピーチは一部からは批判され、彼女がインターネット上で脅迫を受けるまでになったのは記憶に新しいところです。
残念ながら日本では、批判された事実ばかりがニュースとなり、キャンペーンの実際が報道されませんでしたが、具体的にこのキャンペーンでできることは多数あります。
1. 宣言をする
キャンペーンのトップページをスクロールしていくと、自分がキャンペーンに賛同することを宣言できるセクションがあらわれます。すでに宣言した人の数を世界地図上で見ることもでき、2015年2月現在、22万人以上が宣言をしています。
2. 自分でキャンペーンを起こす
アクションキットがホームページにあり、キャンペーンを起こしやすいようになっています。
3. 団体がジェンダー平等を実施する
自治体向け、企業向け、大学向けアクションキットがホームページにあります。
4. 寄付をする
ホームページ経由で10ドルから寄付できます。100ドルの寄付でヨルダンの難民キャンプの女性が教育を受けられる、1000ドルだとジンバブエの漁村の女性たちに融資できる、というように、具体的な例があげられていて、このキャンペーンが恵まれた先進国の女性たちのためだけではなく、途上国の本当に困っている女性や少女のためキャンペーンでもあることを思い出させてくれます。
5. グッズを買う
アマゾンで購入できるようになっています。
キャンペーンホームページは英語ですが、それさえクリアできれば、自分に合った方法で気軽に参加できるようになっています。国連や映画界、以前は遠い存在だった世界が、こうしたキャンペーンで近くなり、一市民でもムーブメントの一端を担えるようになっています。賛同する人はまず、キャンペーンのホームページをのぞいてみてください。
関連するURL/媒体