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戦没者の骨が語りかけるもの

2010.08.09 岩井 光子

Futenma - The Life with The Military Base 16:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by Ojo de Cineasta

沖縄県宜野湾市にある佐喜眞(さきま)美術館で8月11日から23日まで、企画展「骨からの戦世(イクサユ)」が開かれます。

戦争を実際に体験した人々が高齢化するなか、戦後65年を経た今でも、沖縄では戦没者の遺骨が地中から発見されるそうです。

読谷村出身で、「沖縄」を撮り続けている写真家の比嘉豊光(ひがとよみつ)さんは、昨年から今年にかけて、那覇市と浦添市で発見された日本兵の遺骨や遺品の撮影を行いました。今展では、その中から約60点が展示されます。

作品には、頭がい骨に残っていたミイラ化した脳の写真があります。「この『脳』は、明らかに沖縄戦を巡る様々な事情が、未解決であることを訴えている」と企画展のリーフレットでは読み説かれています。

かつて激しい地上戦があり、沖縄の人々が死に、日本兵も、アメリカ兵も死んだ―。その土地の記憶と継承について、現在の基地の問題について、様々なことが頭を巡ります。

同美術館は、米軍普天間基地に隣接。館長の佐喜眞道夫さんは、先祖の土地であった基地の一部を取り戻し、1994年に美術館を開館しました。今なお、翻ろうされ続けている沖縄で、心を落ち着けて静かに「もの想う場」をつくりたいという「なんとしても」の願いからだったそうです。

一連の基地問題をメディアはかまびすしく伝えてきましたが、その視点は果たして沖縄の人々が抱えているものにどれだけ寄り添っていたのか、改めて考えさせられます。



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岩井 光子