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地域の困ったを助ける"FabLab"がフィリピンで発表したアイデアとは?

2014.05.16 瀬戸 義章

最終日に行われたファブシンポジウム。およそ200人が出席した
photo by yoshiaki seto

アジアの発明家たちが集まる国際会議、"FAN1(第1回ファブラボ・アジア・ネットワーク会議)"が、5月2日から7日にかけて、フィリピンのボホール島で開催されました。日本や韓国、インドネシアといったアジア10カ国のFabLab(ファブラボ)関係者60人が、それぞれのラボの取り組みについて話し合いました。

FabLabとは 最新のデジタル工作機械を備えた工房のことです。"Fab"には、"Fabrication(ものづくり)"と"Fabulous(楽しい)"の2つの意味が掛けられています。

5月2日には、会議の開催に合わせて、フィリピン初となるFabLabがボホール島に誕生しました。オープニングイベントにはアキノ大統領も出席するなど、関心の高さがうかがえます。

エンジニアが集まるだけあって、FAN1は話し合うだけでなく、ものづくりコンペも行われました。そのテーマは「災害」。フィリピンは特に台風災害の多い地域であり、また、ボホール島は昨年、地震によって大きな被害を受けた場所です。各国のチームからは、「台風で倒れてしまうバナナの木の繊維を利用したイス」「避難所で食料を配布するためのトレイ」「柱のいらないドームハウス型避難施設」など、いずれもユニークな発明が発表されました。

FabLabは、これまでのいわゆる「大量生産」ではなく、個人や地域が必要としているものを、必要な数だけつくる「適量生産」を可能にする施設として、世界中で期待が寄せられています。市民に開放されているこの工房は、3Dプリンタやレーザーカッターといったデジタル工作機械を使うことで、誰もがより手軽に、かたちを生み出すことができるのです。

日本には現在、鎌倉、つくば、渋谷、北加賀屋(大阪)、仙台、関内(横浜)、大分、鳥取の8カ所にFabLabがあります。あなたも、自分や地域の困りごとを助ける「ものづくり」に目を向けてみてはいかがでしょうか。あなたの気づきから生まれた製品が、世界を変えるかもしれません。



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フィリピン (アジア/オセアニア

瀬戸 義章