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2011.03.21 高橋 彩
Dead palm leaves 1:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by Keith Williamson
23歳の若き科学者、ムスタファ・バラミ氏が、オマーンにあるスルタン・カブース大の実験室で新しい再生紙を作ることに成功しました。この再生紙はヤシの落ち葉からできており、バラミ氏は3月7-9日にドバイで行われたペーパーワールド中東フェアでこのアイデアを披露しました。
UAEにはヤシの木が4400万本あるといわれ、うち100万本が毎年焼却処分されています。「コストもかかるし、二酸化炭素の発生も多くなる。これは環境問題」とバラミ氏。
バラミ氏は1キロのヤシの葉からA4サイズ80枚を作ることに成功。機械化すればさらに多くの紙の生産が可能となり、オフィスなどで広く利用することができます。落ち葉で作るために集めるのは簡単で、緑の葉を採取してヤシの木を傷つけてしまうこともありません。また、この落ち葉に含まれる繊維は世界の紙原料の90%を占める樹木繊維と非常に似ており、実用化に大きな可能性を秘めた素材と言えます。
2010年11月に行われたクウェートの国際発明家コンテストで、160人のライバルがいる中、銀メダルを獲得したバラミ氏。環境と経済的な利益の共存を目指す、若き発明家の活躍が期待されます。
葉を利用した紙の作り方
・葉を一晩水に浸す
・植物繊維を抽出するため科学薬品を加える
・植物繊維をミキサーでくだく
・ペースト状にして枠に薄く流し込む
・乾いたらエコペーパーの完成!
関連するURL/媒体
http://gulfnews.com/news/gulf/uae/environment/eco-friendly-paper-from-palm-tree-leaves-1.774153