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「手洗い習慣」がアフリカの子どもたちを救う

2013.09.20 ミラクルリリオ

南アフリカのケープタウンにある貧民街は衛生環境が非常に悪く、毎年数千人もの人々がチフスや下痢といった感染症で亡くなっています。子どもたちの死亡率も高く、衛生教育の徹底が緊急課題となっていました。

子どもたちの命を奪う感染症の多くは、実は 「石けんでこまめに手を洗う」という習慣を身につけることでかなり防げます。そこで世界保健機関(WHO)がケープタウンの貧民街Blikkiesdorpで今年から始めた啓発プロモーションがHOPE SOAPプロジェクト。子どもたち一人ひとりに石けんを配布するのですが、普通の石けんではなく、子どもたちがすすんで何度も手を洗いたくなるような「特別な石けん」を配ったのです。

それはミニカーやフィギュア、キティちゃんなど、子どもたちにとって魅力的なおもちゃが埋め込まれたHOPE SOAP。石けんの中のおもちゃが欲しい子どもたちは、早く石けんを使い切ろうと一生懸命石けんで手を洗います。HOPE SOAPの効果は想像以上で、貧民街の感染症発症率は70%も減少。深刻だった呼吸器系の感染症は75%も減りました。子どもたちは手だけでなく、顔や体もせっせと石けんで洗うようになったといいます。

この仕掛けは、「石けんで手を洗う」習慣が根付いていないアフリカ諸国では、大いに効果を発揮することが期待できます。特にサブサハラ以南のアフリカ諸国では、安全な水へのアクセスができないところも多く、下痢など水を媒介とした感染症発生の原因ともなっています。しかし、石けんで手を洗うだけで、下痢の疾患率を35%以上防ぐことができるというデータもあります。実際私の住んでいる赤道直下のルワンダでは、この手洗いの習慣の啓発により、ここ5年余りで5歳未満の幼児の下痢の疾患者数が60%近く減少しています。

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Handwashing day


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photo by Toshikazu Mito


具体的には、上の写真のように、ポリタンク(現地ではジェリ缶と呼んでいます)や陶器を使った簡易型の手洗い設備を設け、学校や役所などの公共施設、レストランなどで手を洗うよう促しています。ぜひ他のアフリカ諸国でもHOPE SOAPのようなアイデアで「手を洗う習慣」が根付いてほしいものです。



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