Water
2009.02.02 橋本 淳司
中国が水不足に苦しんでいます。とくに華北地方(淮河〈わいが〉以北の中国北部)と、黄淮(こうわい)地方(黄河と淮河に挟まれた地域)の河北省、山西省、安徽(あんき)省、河南省、山東省、陝西省、甘粛(かんしゅく)省では、70日間に渡って降水を記録せず、飲料水すらままならない人は196万人、影響を受けている家畜は67万頭にのぼっています。
中国北部はもともと水資源が乏しいのですが、工業の急激な発展で水資源は激減しています。
さらには地球温暖化の影響もあります。チベット高原の氷河と地下水は、中国の給水塔と呼ばれ、黄河、長江、メコン川などの水源となっています。ですが、気温が上昇し、乾燥化が進み、水循環のバランスが崩れはじめました。雨量が減り、川の水量は減少しています。
顕著なのが黄河です。黄河の流れが、渤海(ぼっかい)まで届かず、手前で途絶えてしてしまう断流現象は1970年代からはじまりました。1990 年代以降は、断流の日数も期間も長くなっています。砂漠が広がり、砂嵐が吹き、穀物が栽培できなくなり、環境難民が移住を余儀なくされるケースもあります。
今回、中国財政部は緊急対策として、1億元(13億円)を拠出しました。しかし、地球温暖化にストップをかけなければ、この問題を解決することはできないでしょう。
※水循環 水は基本的に「海洋→降水→土壌水→地下水→地表水→海洋」と循環する。つまり、海水面から蒸発し、森林や農地、宅地などに雨となって降り注ぎ、土の中にしみ込み、地下水となって流下し、表流水となって川の流れとなり、また海に戻る
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