Water
2010.08.02 高橋 彩
(c) Aya Takahashi
砂漠に囲まれた地でありながら、街中には見渡す限りの芝生や造園、遊歩道の両脇に規則正しく植えられた木々。スプリンクラーからは絶えず水が放出され、緑を潤しています。UAEの街中ではよく見る光景ですが、この水の大盤振る舞いが、エコの見地から見直され始めています。
6月に適用された「エコ建築基準」では、1000人以上の住居者を有する新しいコミュニティーは、すべて都市計画機構のガイドラインに従わなければいけません。これが9月には、ビラ(一戸建て)や学校、オフィスなどにも拡大適用され、UAEのエコ建築評価システムの大きな一歩になると考えられています。
エコ建築の内容は世界各国で異なり、地域性が出ますが、UAEの大きな特徴は電力節減と節水関連の条項が約50%を占めるということ。UAEとアブダビにおける電力と水の消費量は、前年比2桁の伸び率を見せています。特にアブダビは一人当たりの水消費量が一日平均550リットルと世界一。豊富な化石燃料資源はあっても、再生可能な水資源がないことが懸念されています。
水道の蛇口に節水コマを取り付けるといった初歩的なものから一歩進んだ節水策として、公園の芝を減らしたり、水設備の規模を縮小することなどが挙げられています。ちょっとした名物でもあるスプリンクラーが見られなくなると物足りなく感じるかもしれませんが、人工のスプリンクラーなしでも自然な緑のある風景に近づくことができるのか、9月からの実施効果が期待されます。
関連するURL/媒体
http://www.thenational.ae/apps/pbcs.dll/article?AID=/20100701/NATIONAL/706309845/1022