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Water

オーストラリアの洪水でクモの巣だらけの町が出現

2012.03.12 山田 由美

2010年のパキスタンの大洪水後、バルーニングを行ったクモの大群
Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by DFID - UK Department for International Development's photostream

オーストラリア東南部、ニューサウスウェールズ州のワガワガという内陸都市の近郊で、コモリグモというクモが糸を張りめぐらせ、あちこちが雪景色のような状態になっているという現象が見られました。

ワガワガ市は3月初めから記録的な豪雨に見舞われ、近くを流れるマランビジー川の水位が上がり、一時は市内8000人以上が避難を余儀なくされました。マランビジーとはアボリジニーの言葉で「豊富な水」という意味を持つほど豊かな水源ですが、人々は幾度となく洪水を経験してきました。

幸いなことに市民は避難をしましたが、人がいなくなって、もぬけの殻になった場所に、洪水から避難してきたクモが一斉に集まってきてトランポリンのように弾力のある巣を張りめぐらせたのです。オーストラリア博物館の昆虫収集管理者であるグレアム・ミレッジ氏によると、これは「バルーニング」と呼ばれ、水から逃げ延びるためにクモがよくとる手段なのだそう。

このクモはもともと地中に住んでいるため居座る訳ではなく、この状態は新転地を探す間だけのもの。少々不気味ではありますが、クモは洪水で増えてしまった蚊などの虫を食べるというありがたい役割を果たしてくれるのです。

クモは悪いことをしない。とよく言われますが、さすがに住民が帰宅したらこの光景には悲鳴をあげてしまいそう。



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このニュースの地域

ニューサウスウェールズ、オーストラリア (アジア/オセアニア

山田 由美