Water
2009.03.25 橋本 淳司
インドネシアの首都ジャカルタで地盤沈下が発生しています。1995年以降、西部で毎年19センチ、中心部で11-13センチ程度の地盤沈下が発生し、早ければ2012年に市内の一部が海面より低くなると考えられています。
地盤沈下の原因は、企業による過剰な地下水のくみ上げです。
こうしたケースは世界各地で見られます。地下水をくみ上げる企業と、環境への影響を懸念する地元住民とのあいだでトラブルが多発し、訴訟に発展するケースもあります。ただし法的には地下水は土地に付属する動産と考えらえること、地盤沈下と水のくみ上げの因果関係を証明することが難しいことなどから、企業有利の判決が下ることが多いのです。
日本では企業の地下水利用が水道料金の値上げの一因になっています。上水道は大量に利用するほど割高になるので、企業は自前の井戸を掘り、地下水を利用してコスト削減を図るようになりました。大口利用者が水道を利用しなくなったため、水道事業の収益は悪化し、水道料金の値上げにつながりました。ここでも地域住民が不利益を被っています。
持続可能な社会を実現するために、地下水利用にルールが必要になっています。
関連するURL/媒体
http://sankei.jp.msn.com/world/asia/090323/asi0903230859001-n1.htm