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テッラ・マードレ=母なる大地から始まる新しい世界の動き|地球リポート|Think the Earth

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地球リポート

from イタリア vol. 55 2010.11.29 テッラ・マードレ=母なる大地から始まる新しい世界の動き

2010年10月、イタリアのトリノ市のリンゴット(フィアットの工場跡)を会場に、国際スローフード協会が主催する国際イベント「テッラ・マードレ」が開催されました。テッラ・マードレとは、イタリア語で「母なる大地」を意味する言葉で、 イベントには食の生産者(農業、酪農、漁業など)、料理人、研究者、学生、音楽家など6400人を越える人々が世界中から参加。食の生産者同士の世界的なネットワーク形成に貢献すると同時に、食の問題を越え、根底から「世界のパラダイムを変革する新しい動き」を人々がありありと感受できるエキサイティングな場ともなっていました。

目次へ移動 テッラ・マードレ開会!

2004年の第1回目から隔年で行われてきたテッラ・マードレは今回で4回目。2010年10月21日から25日の5日間、フードフェア「サローネ・デル・グスト」に併設される形で開催されました。

055-000.jpg トリノ市内の広場で行なわれていたテッラ・マードレの写真展のパネル。ローカルな市場の何気ないワンカットに人類と地球の未来が写されている

055-002.jpg 開会式場のオリンピック・パレス「パライソザキ」に向かう参加者たち

055-003.jpg 巨大なオリンピックパレス内部に大勢の参加者が集まってくる

055-004.jpg 開会式前から各国の参加者同士の交流が始まっていた

約7000人を収容するために用意された開会式会場は、2006年の冬季オリンピックの際に日本の建築家、磯崎新が設計したオリンピックパレス。まず、マケドニアの民族舞踊グループ、アクード・ミルチェ・アツィエヴの大地の鼓動のような力強いダンスで幕を開け、少年少女のオーケストラとコーラスの演奏に乗って、世界160ヶ国の代表の旗手たちが大陸ごとに分かれて入場するという、まるでオリンピックの開会式のような形式で始められました。この冒頭の若々しい音楽のエネルギーは、テッラ・マードレが如何に未来の世代に大きな期待を託しているかを象徴的に表現しつつ、言語や文化の障壁を越えて観衆を感動させる見事な演出でした。

055-005.jpg ありとあらゆる民族の旗手たちが舞台上で織りなす代表者席

055-006.jpg (左上)日本代表団の旗手を務めた、雲仙こぶ高菜の生産者の馬場節枝さんの姿も (左下)マケドニアの民族舞踊グループ、アクード・ミルチェ・アツィエヴ (右)各大陸のテーマ曲が少年少女のコーラスとオーケストラによってエネルギッシュに演奏され、式を盛り上げた

055-004-2.jpg 開会式の後、会場外で記念写真を撮る参加者と、彼らのホームステイ先となる地元のファミリー。このイベントは多くのボランティアの力で支えられている

目次へ移動 先住民族も主役

トリノ市長、ピエモンテ州知事代理らの挨拶があった後、エチオピアのガモ族、ブラジルのインディオスのグアラニ族、カムチャッカのイテルメニ族、北欧のサミ族、オーストラリアのアボリジニ族と、五大陸の先住民族の代表がそれぞれの言語で挨拶に立ちました。

055-007.jpg (左上)アフリカの先住民族を代表したエチオピアのガモ族のマレボ・マンチャ・マゼは、偉大なシャーマンのように母なる大地と全員を祝福してくれた (右上)その容姿の美しさで、翌日のイタリア各紙の紙面を飾ったカムチャッカのイテルメニ族のアルビーナ・モリローヴァ(アジア代表)は、同民族の苦難の歴史とともに食物の精神的文化的価値を強調 (左下)ヨーロッパの先住民族を代表したサミ族のオル・ヨハン・シックは、伝統文化と環境の密接な関係を力説 (右下)オセアニアの先住民族の代表は、アボリジニの教育に携わるオンティ・ベリル・ヴァン・オプルー女史

055-008.jpg 南北アメリカ大陸の先住民代表としてスピーチに立ったのは、ブラジルのグアラニ族の代表アドルフォ・ティモティオ。背後には世界160ヶ国の代表たちが座る

近代化とグローバリゼーションの進む中で生命と文化の存続を厳しく脅かされながらも、大地と深く結びつき、環境と見事に適応した伝統文化の中で生き延びる彼らのメッセージは、他の何よりもテッラ・マードレ、そして現在のスローフード運動の主旨を的確に代弁する言葉でした。

食とワインのジャーナリストとして70年代より左翼系の新聞雑誌で活躍していたカルロ・ペトリーニを中心に、80年代後半にイタリアで生まれたスローフード運動は、元々ファーストフードに対抗し食品の品質を守るためのものでした。今や会員10万人以上の世界的規模の運動に発展し、最近は完全にエコロジー思想を吸収して自らの運動を「エコガストロノミー」と定義しています。こうして食品とともに「生物多様性」を重視する同運動は、それと密着した「文化の多様性」にも着目し、前回の第3回テッラ・マードレでは民族音楽を取り上げました。今回は先住民族の土着言語の重要性、それと結びついた口承文化、記憶などもテーマに選ばれ、会期中いくつもの講演や討論会が行われました。

055-009.jpg (左上)ナポリ東洋大学のフラヴィア・クトゥーリ教授によるメキシコのサン・マッテオに伝統的に伝わる食文化についての発表 (左下)北インドの先住民族出身のフラング・ロイ[向かって左]と国際スローフード協会のシェイナ・ベイリー[右]。両者とも「農業の多様性と食の主権のための先住民パートナーシップ」の運営委員会のメンバー (右)日本の先住民族代表として参加されていた、アイヌの島崎直美さん

目次へ移動 未来への航路を知る船頭たち

開会式の締めくくりには、まるで映画スターの登場を待ち構えるような数のフォトグラファーたちが押し寄せる中で、スローフード協会会長のカルロ・ペトリーニが演壇に立ちました。

055-010.jpg 開会式の演壇に立つスローフード協会会長カルロ・ペエトリーニ。極めて明解に、しかも人の心を動かす熱い演説は名人芸

その彼がまず強調したのは、先住民族の代表者たちの言葉の中にあった教え、「伝統的な知を保護することこそが、我々が生きて行くために必要不可欠な手段を与えてくれる」ということでした。

「伝統的な知の保持者としては、4つのカテゴリーがあります。それは、先住民、農民、女性、そしてお年寄りです。彼らに耳を貸すだけでなく、現代世界の危機を乗り切るためには、彼らにこそ第一線で活躍してもらう必要があります。しかし現状はほど遠く、政治はこれらのカテゴリーを考慮の対象にさえしません。メディアも関心を向けません。熱狂し、利潤にばかり気を取られた人類は、金融、社会、環境、全ての領域で舵を失い、ひたすら漂流するばかりです。(中略) しかし、人類は文明崩壊の深淵の際まで辿り着いたら、後退を余儀なくされるでしょう。後退することになったら、最後方にいる先住民、女性、農民、お年寄りたちが先頭に立って我々に正しい道を教えてくれることに気づくでしょう」。
我々を未来に導く船頭になるのは彼らなのです。

055-011.jpgアマゾンの原住民で、大学教授のイトマ氏

055-012.jpg(左)「伝統の知識」についての講演会で発言に立った南イタリアのカラブリアの女性グループ「歩む女性たち」の代表者 (右)「女性の権利」についての討論会で発言するマラウィの女性。この会では世界中からの女性の権利獲得運動の事例が報告された

女性の問題に関しては、世界的な環境と食糧の問題に理論、 実践、両面で取り組むインドの環境運動家、ヴァンダナ・シヴァにお話を伺いました。農村における女性の役割についても数多く発言をしているシヴァ女史は、筆者の質問に答えて、女性原理とエコシステムの働きが非常に近いことなどをあげ、サステイナブルな社会作りにおける女性の役割の重要さを強調していました(詳細はインタビュービデオをご覧ください)。

目次へ移動 科学と伝統の知の和解と協調

これまでヴァンダナ・シヴァらと非常に近い視点で「近代的な工業化された農業」と「グローバルなアグリビジネス」を批判することに焦点を当て、特に「伝統的な農耕の知や文化の重要さ」を強調して来たスローフード運動ですが、今回のペトリーニの論調は少し違いました。伝統文化と近代科学のどちらも単独で完璧な真理を握っている訳ではないこと、その両者の和解と協調が未来を切り開くためには必須であることを繰り返し強調したのです。

055-013.jpg各国記者団による質問会で応えるカルロ・ペトリーニ

3日目の質問会でのこと。ペトリーニはこう言いました。 「西欧近代文明を支えてきた科学だけでなく、現代のテクノロジーやインターネットとお年寄りや先住民、女性たちの伝統的な知を対話させることで、強い爆発力のある混合物が生まれるのです。これこそ真の変革の力となるものです」。 そこで筆者は「この2つの『知』の間の対話、つまり和解と協調を具体的にはどういう形で実践するつもりか」と質問。その答えとして、彼はひとつの例を挙げました。 「テッラ・マードレには世界中の大学約400校から教授たちが来ていますが、彼らにはひとつ責任があります。自国に戻った時に農民と仕事をするという責任です。こうして既に農民が大学へ行って、教師として教えるようになったという素晴らしい事例も出ています」。 これまでの社会ではかけ離れていた大学と農民の組み合わせに新しい知の誕生が託されているのです。

055-014.jpg食の知識を子供たちがゲームを通して身につけるコーナー。五感と頭を使って食物についての正しい知識と興味を持つことの重要さを教えます。会期中のべ1000人以上の子供たちが参加。変革の土壌はまず子供の教育から

目次へ移動 若い世代への期待

もうひとつ、開会式でペトリーニが強調したポイントは、 若者こそがその和解の実現者だということでした。 「若い皆さんには、大きなチャンスが与えられているんです。皆さんは、科学及び現代のテクノロジーと伝統的な知を協調させるという義務を担った世代です。皆さんは実に面白い時代を生きることになるのです。自信を持って下さい。素晴らしい挑戦的課題が待っています。(中略)科学及び現代のテクノロジーと伝統的な知をひとつにしようとすることは、これから皆さんが立ち向かうべき最も素晴らしい課題です。若い皆さん、この宿命をしっかりと自分のものにして下さい」。

055-015.jpg(左)開会式で真剣にペトリーニの話を聞く若いアフリカからの参加者。(右)ウガンダの農民の女性は、食科学大学の学生たちに自らの土地の作物、農耕技術などを説明。アフリカの農耕は決して貧しいものではなく、多様な作物とサステイナブルな知恵にも溢れている。彼ら自身のこの意識革命がアフリカを救う鍵

世界的に未来の見えない不安に包まれた現代の若い世代に対して、これほど力強い期待を持って未来を託してくれる彼の言葉は、会場の若者たちの心を打ちました。ペトリーニはさらに、フランスの哲学者エドガー・モランの言葉、「全てやり直さなくてはならないけれど、すべてのやり直しは、もう始まっているのです」を引用しながら、極めて困難な時代ながら、もう正しい道は見えていると示唆しました。 「君たちこそが、この変化の主役なんです。君たちが、社会を変身させるんです。醜い芋虫がさなぎになり、蝶になるように。これが君たちの使命なのです」。 こう言われて心躍らない若者はいなかったでしょう。

055-016.jpgスローフードが創設した食科学大学のブース。食に関する知識と実践を積む学生たちこそ、伝統と科学を結びつける未来の立役者

目次へ移動 ジェネレーションT

イタリアでは35歳以下で農業を選んでいる若者が約10万人います。国内の農民の総人口から見るとまだわずか7%ですが、コンピューターとインターネットを駆使して消費者と直接つながり、技術革新をしながら、環境を大事に安全で美味しい食品を作る彼らは、その地位をますます重要なものにしつつあります。売り上げでも+75%と平均を大きく上回っています。また最近、ペトリーニがアメリカの一流大学数校で「将来自分の人生の目的として農業に従事しようと思っている人はいますか ?」という質問をしたら、300-400 人の参加者の中で、手を挙げる学生が毎回25-30人はいたそうです。世界のパラダイムが確かに変わりつつあるのが実感される数字です。

スローフードでは、農業に従事する若い世代を「ジェネレーションT」(Tは大地[Terra]の頭文字)と呼びます。その彼らの活躍を通して、「お百姓さん」が「時代遅れの貧しい職業」ではなく、貴重な伝統の知恵と新しい科学技術やパラダイムをミックスして世界を変革できる、未来にとって最も重要な職能のひとつだということを訴えています。

今回のイベント中にもペトリーニと世界の若い農民が出会う場として「ジェネレーションT」と題された討論会が催されました。

055-017.jpg「ジェネレーションT」についての討論会

参加者のひとり、ブラジルのジャンダイーラで養蜂を営むフランシスコ・カベコは2008 年のテッラ・マードレで大いに勇気づけられ、帰国後6ヶ月を費やして地元の若者たちと討論。ジャンダイーラ蜂のサステイナブルな飼い方を皆に伝え、化学製品に頼っていた親の世代に有害な農法を改めさせていると言います。また、一般生活者が「消費者」としてではなく、多様な形でより積極的に食品の生産に参加する「共同生産者」である、という概念を地元にも広めたところ、人々の食品生産への意識が高まったそうです。ただ自分が生きて行くために食品を作るのではなく、農業、及び食品生産、消費について人々の意識を変革していくのも、一層複合的な役割を担う「ジェネレーションT」に与えられた重要な課題のひとつだということを教えてくれる話でした。

055-018.jpgブラジルの若い養蜂家フランシスコ・カベコ

目次へ移動 先端の知の集結

世界中の若者たちが会場に溢れているのもテッラ・マードレの特徴ですが、カルロ・ペトリーニやヴァンダナ・シヴァはもちろん、環境問題に敏感な経済学者のジェレミー・リフキン(米)、「脱成長」の理論家セルジュ・ラトゥーシュ(仏)、 食糧問題に精通した経済学者ライ・パテル(英)など、先進国の作り上げた市場経済と文明が完全に破綻していることを正確に把握し、新たなパラダイムを提示してくれる世界一流の識者たちが多数集結していたのも印象的でした。若者の中に生まれつつある自発的な新しいエネルギーとともに、彼らの言葉を通して、参加者たちは、新しい世界が動き出していることを強く実感したはずです。

055-019.jpg生産形式の歴史的変容を語った講演会のパネラーたち(右がセルジュ・ラトゥーシュ、左がライ・パテル)

同時多発的に開催される講演 / 討論会のうち特に興味を惹かれたのは「スモール・イズ・ビューティフル 1973-2010 - 現在の危機的状況を読むためのエルンスト・F・シューマッハーの理論」でした。パネラーはイタリアで最近注目の経済学者ロレッタ・ナポレオーニと「スロー・マネー」の発案者ウッディー・タッシュ(米)で、二人ともシューマッハーの著作が今なお、いや今になってますます強いインパクトを持って読まれるべき本であることを訴えていました。

055-020.jpg「スモール・イズ・ビューティフル」についての討論会。右がロレッタ・ナポレオーニ、左がウッディ・タッシュ

「60年代に地球を宇宙から撮った写真を観て、地球が(宇宙からしてみれば)小さな限りある球体に過ぎないと分かった時に、なぜ人々はやり方を変えなかったのだろうか ?」とタッシュは自問します。「成長に限界がある」ことに気づいていながら、なぜ方向転換しなかったのか。その後の経済成長は、先進国の人々をより裕福にはしましたが、余暇は少しも増えず、消費が増すことは幸せの増長に繋がりませんでした。にも拘らず、シューマッハーの危惧した通り、経済は巨大化と倫理の廃棄を押し進め、現在に至っています。

さらに、同講演では、『スモール・イズ・ビューティフル』 とスローフードに刺激され、ウッディー・タッシュが創始したスロー・マネーについても議論されました。スロー・マネーとは、投資家が自分の住んでいる場所から比較的近くにある小規模の食品生産者(農業、畜産業、漁業、加工業など) に投資するもので、お金と大地をつないで投資される資金が目に見える形で利用され、成果を生むシステムです。これは、我々の預金が世界の全く知らない場所で、全く知りようもない目的、もしかしたら戦争に運用されている現在の金融業のあり方の対極を実現するもの。資金運用の倫理性はもちろん、 投資家にとっての安全度、地域への利益の還元度から言っても理想的です。そして何より、地域の経済に住民が直接参加し、地域レベルで新しい経済のあり方を作る方法として、とても期待できるものです。先の「ジェネレーションT」の講演会でペトリーニも、「私のわずかな預金も農民にあげるつもりです。銀行なんかよりずっと彼らの方があてになります」と語り、スロー・マネーの重要さを訴えていました。

目次へ移動 テッラ・マードレの未来像

農作業と深く結びついた民族音楽、原住民の言語など、食に結びついた文化の多様な側面も扱うようになったテッラ・マードレですが、今後はどうなっていくのでしょうか。

ヴァンダナ・シヴァは「イベントが多様性を持ってきたが、 やはりバックボーンは食の生産者のコミュニティだから、その意義をさらに強化する必要がある」と主張します。ペトリーニ自身は、これをトリノのイベントとしてだけ考えないことの重要さを強調しました。「世界中でテッラ・マードレを行うこと。そのことで、農民ばかりだけでなく、大学等も含めてホリスティックな形で世界中にネットワークが広まり、 根付いていくことが何より重要である」と。

このネットワークの将来のあり方については、スローフード運動の実働部隊と言える「生物多様性のためのスローフード基金」会長、ピエロ・サルドがさらに詳しく語ってくれました。彼は、イベントとしてのテッラ・マードレは4、5年に1回、オリンピックのようにあればいいと言います。
より重要なことは、テッラ・マードレが多くのプロジェクトに分かれ、各地の食のコミュニティがより自発的、自律的に活動することです。その一つひとつにおいて、より裕福な北側の食のコミュニティが数年間責任もって、苦難にある南側の食のコミュニティを支援しながら、互いに学び合い、ともに共同作業するのが望ましいでしょう。テッラ・マードレの将来の姿はこうあるべきだと思います。資金提供だけではなく、北側が自分たちの経験と技術にネットワーク内の大学、技術者、若者、ボランティアたちを加えれば、もう、すごいパワーになりますよ」。

毎年12月10日は世界中でテッラ・マードレを祝うテッラ・マードレ・デイ。現在食の生産に直接関わっていない人もその日には、なるべく地元産の食品を食べ、「母なる大地」に感謝の意を捧げることで、この大きな運動に参加してみてはいかがでしょう。大きなネットワークにつながれた今、一人ひとりがより自律性をもって自らの食生活を変革していくこと、それが何よりも重要になってきているのです。

055-021.jpgトリノ市内の広場でテッラ・マードレの写真展を眺める市民。テッラ・マードレは全ての人に関わっている


関連URL
テッラ・マードレ http://www.terramadre.info/
スローフードジャパン http://www.slowfoodjapan.net/

多木陽介 略歴
演出家、アーティスト、批評家。1988年に渡伊、現在ローマ在住。演劇活動や写真を中心にした展覧会を各地で展開。現在は多様な次元の環境(自然環境、社会環境、個人の精神環境)におけるエコロジーを進める人々を扱った研究を行ないながら、芸術、批評双方で生命を全ての中心においた人間の活動の哲学を探究している。


取材・執筆・写真:多木陽介
編集:岡野 民、上田壮一(Think the Earthプロジェクト)

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