「地球サミット」と呼ばれる国際会議に参加してきました。10年に一度開催される国際連合(国連)の最大級の国際会議で、2012年6月20日から22日までブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催されたものです。地球サミットといえば、有名なスピーチを思い出す人も多いかもしれません。
「If you don't know how to fix it, please stop breaking it.
(直し方のわからないものを、これ以上壊さないでください)」
20年前の1992年に、同じくブラジルのリオで開催された最初の「地球サミット」で当時12歳だった少女が世界に訴えた言葉です。“伝説のスピーチ”と呼ばれ、今でも語り継がれるその演説を行った少女の名はセヴァン=カリス・スズキ。カナダ出身の彼女はこの日のためにお小遣いをためてブラジルにやってきました。地球サミットという会議で自分たちの未来が話し合われるということで、どうしても意見を伝えたかったのだといいます。
あれから、20年。
10年に一度開催されるこの会議が再びリオに戻ってきました。20年後のリオという意味で、今回の地球サミットはリオ+20と呼ばれています。
(タイトル写真:リオ+20でスピーチをするセヴァン・スズキ)
目次へ移動 地球の未来に参加できる10年に1度の機会
リオ+20が開催されるブラジルと日本の時差は12時間。ブラジルが朝の7時なら、日本は同日の夜19時となります。この時期の気温は25度から29度あたり。地球の裏側なので、日本が夏なら向こうは冬。にも関わらず、湿度は高く、日本の夏に似ています。コパカバーナ海岸というブラジル有数のリゾートエリアに滞在しましたが、同じようにリオ+20参加者が多く滞在しているようでした。リゾートエリアには場違いなスーツ姿の男性が目立ちます。
今回、私は、日本のNGO「地球サミット2012 Japan」の一人として国連から招待状をもらい参加しました。参加者には、IDカードが発行されます。IDカードを首からぶら下げて近くのシャトルバス場に向かうと、同じく地球サミット(リオ+20)会議場に向かおうとする人々が列を成していました。このバスはブラジル政府が参加者の交通手段として用意したものでIDカード保有者は無料で利用できます。
私が常用したシャトルバス場はコパカバーナ海岸沿いのマリオットホテル前でした。ここからバスに乗りこみ、40分ほど揺られると本会議場にたどり着きます。
本会議場は、政府要人らが集う場所でIDカードがない人は入れません。入る時は荷物検査をされたり、金属類の探知機をくぐったりと他国へ入国するのと同じような厳しさです。
当然、すべての団体がIDカードを取得できるわけではありません。そうした団体は、入り口でプラカードを抱え、それぞれの伝えたいことを伝えようと活動しています。
すでに世界人口は70億を超え、地球は様々な問題をかつてないほど抱えています。これから先、どうすれば持続可能で平和な世界を実現できるのでしょうか。地球サミットは、各国が抱える問題、そして世界が直面している課題を認識し、これからどうすればよいのか世界全体で同じ未来を共有する10年に1度の機会なのです。NGOやNPOを含めた団体たちが本会議場に入れなくても、自腹でリオの地まで赴き、メッセージを伝えようとするのも、そのためです。裏を返せば、ここで議論になれば、その議論は世界に拡がるのです。
国連の会議と聞くと、他人事のように感じる人も多いでしょう。でも、地球サミットは、この会議を多くの人が自分事にできるよう、ユニークな方法をとっています。国連は参加国に「マルチ・ステークホルダー・プロセス」による「国内準備委員会」を事前に設置することを推奨しています。「マルチ・ステーク・ホルダー・プロセス」とは複数のステークホルダー(利害関係者)が対等な立場で意思疎通を図る考え方で、これが推奨されているということは、地球サミットは特別な誰かのものではなく、地球で生活をするあなたのものだという意図が込められていると言えるでしょう。
目次へ移動 日本では報道されない地球サミットの本当のおもしろさ
「本会議」と呼ばれる首脳陣が各国から集まる期間は6月20日から22日でしたが、会期以前から各国の主要人物(主に官僚)はリオに集まっています。それはいったいなぜなのでしょうか?
各国の官僚たちは、ここブラジルの地に入り、本会議で話し合われる成果文書を一定の形に仕上げようと、他国と交渉を繰り返しています。この「成果文書」とは、法的な拘束力はないのですが自主的な国ごとのコミットメントが一枚の文章に記されているものです。次の10年へ向けての未来への指針になります。
実は、参加者はこの交渉の現場を見ることができるのです。日本の官僚ももちろんその場におり、各国が議長の仕切りで自国のメリット、デメリット、そして世界のことを考えて議論と交渉を繰り返す様は、非常にエキサイティングです。交渉は1日8時間以上、毎日行われます。この内容は後述します。
さらにその周辺ではNGOグループや、各国民間企業や団体が主催できる事前イベントを6月13日ごろから開催しています。セミナーやワークショップが多く開催され、世界中の取り組みや最新の情報を共有しあうほか、環境や生物、エネルギーなどそれぞれの分野における主要人物が集結するため、新たなネットワーク作りにも活用されています。
この関連イベントが充実しているのも地球サミットのおもしろさです。各国が主催するパビリオンでは、それぞれの国の行政が提案するプロジェクトや企業が持続可能な社会へ向けての商品やサービスを発表しています。
さらにパラレルイベントとして「ピープルズサミット」と呼ばれる市民が主体になったイベントもあります。これは日本でもおなじみになりつつあるアースデーの規模をさらに大きくしたようなイベントで、特にNGOなどの団体が力を入れてそれぞれのアピールを行っていました。
日本のテレビや新聞で見る地球サミット(リオ+20)情報の多くは、本会議が行われる6月20日から22日までの3日間の内容になるでしょうが、それまでに開催されている事前イベントや成果文書を仕上げるまでのプロセスこそが、本来の見所ともいえます。
今回のリオ+20ではこの事前交渉に時間がかかり、本会議が始まる直前までバタバタが続きました。ここにまつわるのは様々な立場の人の思惑と未来への希望だとも言えます。以下では、そこに関わった人たちを追っていきたいと思います。
目次へ移動 セヴァン・スズキの伝説のスピーチ再び
地球サミットについて考えるときに、多くの人が思い出すのが、当時12歳だったセヴァンの"伝説のスピーチ"でしょう。大人に、そして世界に環境破壊を止めることを訴えた彼女は今、何を思うのでしょうか? そして社会はあのころの少女の訴えに答えを返せているのでしょうか?
リオ+20の開催直前にセヴァン・スズキの参加が発表されました。セヴァン本人は参加を予定していなかったのですが「WE CANADA(ウィーカナダ)」というカナダの団体が、直接彼女に交渉し参加が実現しました。突然の発表だったためか、会場は満員ではありませんでした。ですが、私はセヴァン本人の20年間の振り返りが聞けるこの機会に参加し、その後本人を取材することもできました。
20年振りにリオの地に立ったセヴァンは、もう少女ではなく2児の母親になっていました。当時は子供の視点から大人たちへ素直な気持ちをアピールした彼女ですが、今回壇上に立った彼女のメッセージは力強いものになっていました。
「子供たちの未来のために戦う」
母親となったセヴァンは、自分の子供たちのために、そして次の世代のために環境保全を訴えました。
今回セヴァンの参加を実現させた「WE CANADA」はカナダ国内でダイアログ(対話型ワークショップ)を繰り返し、市民のリアルな声をカナダ政府へ、そして地球サミットへ届けるという活動をしていました。この「市民の本当の声」を届ける、という点にセヴァンも共感したといいます。
「カナダ人としてリオ+20で何をするのかは、はっきりしている。カナダのポジションやカナダ人の気持ちを伝えることです」とセヴァンは話しました。これはカナダだけではなく各国にも言えることではないでしょうか? 自分の立っている位置を強調するということが、12歳の少女時代に自分の声で世界に訴えた彼女らしいとも言えるでしょう。
20年前の地球サミットで一躍有名になった彼女は、その後テレビに登場する機会も増え、環境活動家として知られるようになりました。それにも関わらず、今でも彼女を紹介するときに誰もが「地球サミットでスピーチをした少女」と言うのだとセヴァンは言いました。
これは、20年前の彼女の言葉「If you don't know how to fix it, please stop breaking it.(直し方のわからないものを、これ以上壊さないでください)」が今でもそのまま人々の胸に響くからなのでしょう。
20年前は大人に訴えるだけだった彼女が、20年経った今、地球に必要なものについてはっきりとコメントしています。つまり、直し方のわからなかった地球にセヴァンなりの答えを見つけたということでしょう。
「今、必要なものは愛です。愛が希望になります。子供たちへ、そして子供たちの未来へ愛情を持つことが大切。それこそが世界を変える可能性がある」とコメントしたセヴァンに大きな拍手が送られました。誰もが言える言葉ではありますが、彼女の声がこうも人の心を揺さぶるのは、少女時代からぶれない"思いの強さ"と、12歳で人生を決めた女性の"キャリア"、そして母としての"実感"からくるのでしょうか。
彼女が20年前の自分と同じ年代の現代の子供たちに向けた言葉が印象的でした。
「子供たちには自分で決断できる力を持ってほしい。自分の声を持って、世界に発信していってほしい。そのために自分自身をしっかり教育してほしい」
20年前を振り返って「私にとってはあのころから世界は何も変わっていない」と話したセヴァンは、あのころの自分と同じように、子供たちが自ら立ち上がり、一緒に世界を変えていきたいと思っているのではないでしょうか。
今回のリオ+20に参加するにあたり、セヴァンは「子供のころは地球サミットにもっと希望を持っていた。ここで世界が変わると思っていたんです。だけど今はインターネットや多くのコミュニケーションツールを使って世界を知ることができます。だからこそリオ+20が終わった後が大切で、私たちは政府や世界の動きを見続けなければいけないのです」と話しました。セヴァンが見つけた「愛が必要」という答えが地球を直せるのか、未来を守るための戦いは続きます。
目次へ移動 先進国と途上国、それぞれが思い描く未来のずれ
成果文書に含まれる具体的な課題は、現在私たちが直面している7つの問題――仕事、エネルギー、都市、食糧、水、海、災害――です。今回リオで再び地球サミットが開催された背景には、人口が増え、経済発展しているブラジルに、世界がそれぞれ抱える問題が集まっていることが理由だとも言われていました。そのリオの地で行われる本会議の3日間と、それに向けての事前交渉がこれからの未来への道筋を立てるのです。
ですが、この道筋を立てるのが極めて困難な作業です。70億人もの人口を支える地球では、それぞれの国の立場や目指す社会が違うからです。
環境ジャーナリストで、今回のリオ+20において、国内準備委員会の共同議長を務める崎田裕子さんに、各国の調整の様子を聞くことができました。
「当初は、環境配慮型の社会へ向けてどういった話がされるのかという期待を持ってリオ+20に参加しました。ですが実際に現場を見ていくと、途上国と先進国との考え方の違いの差を強く感じさせられました」
崎田さんは2011年の夏以降、共同議長として日本国内の政府以外のステークホルダーと話し合い、その結果が成果文書に反映されるよう提案してきました。その提案が今回の文書の中でどう生かされるかを見守るためにリオを訪れたのです。
「先進国も、途上国も共に未来を見つめなければいけません。発展したいと思っている途上国に、無理やり先進国の意見をぶつけて、先進国対途上国の構図をいつまでも作っていてはいけないと思います。もちろん、途上国には支援も必要でしょう。でも今までとは違うやり方、新しい交渉の形が必要です。今までは先進国は何かを与える、そして途上国はそれを受け取って先進国に追いつこうとしていました。こういった交渉ではなく、お互いがきちんと話し合いをするという姿勢が必要なのです。日本はこれを進めようとしていたと思いますが、やはり今までの構図を変えるというのは難しいですね」
崎田さんは、それぞれの立場を配慮した上で、方向性を揃えることが大切だと話してくれました。さらに、未来を考えるときにトリプルボトムラインと言われる「環境」、「経済」、「社会」のほかに「文化」という要素を入れることで相手国や自然、先住民に敬意を払って取り組めるのではないかというのが彼女の考えです。
「実際にリオ+20に参加して、多くの国の人々が交流していくという点に魅力を感じました。これが新しい価値観を作る機会に、大きな流れのきっかけになればいいなと思います」
地球サミットは国連最大級の国際会議。そこに賭ける人々もたくさんいます。ただ、ここで生まれる成果文書はあくまでも未来への指針。この後世界がどう動いていくかが重要で、実際の私たちの生活にも関わってきます。地球サミットはマイルストーンであり、スタート地点であるということなのです。
目次へ移動 成果文書の中から見えるこの10年への希望
成果文書は本会議の場で採択されます。6月13日、14日、15日の3日間は最後の事前交渉とされていました。
実際に交渉の場を覗いてみると、各テーマの成果文書の交渉をしている各国の官僚たちはぴりぴりしていました。たとえば「持続可能な生産と消費」についての成果文書について交渉している各国の官僚たちは、自国の主張や思いをその文書に盛り込もうと議論に議論を重ねていました。時には反対意見の国と個別交渉をし、調整をはかります。ゆえに「交渉」なのです。
先進国と途上国の主張が食い違うことは多く、どこまで双方が歩み寄れるのかが争点になります。たとえば先進国の資金負担について、途上国は資金を出してほしいと思い、先進国は未曽有の不況化、途上国が期待するほどのお金をだせるか悩ましい......また先進国は途上国を含めた各国の自然資本について把握したいと言い、途上国は自分の国でリサーチをすることができないと反対する......など、こうしたやりとりが様々な問題で行われています。
本会議までは、こうした交渉内容の詳細は極秘情報扱いです。私が訪ねたときも交渉ルームの前では厳重な警備がされており、入退出者のチェックもきびしいものでした。今回、私は国連招待のNGO団体として中に入ることができたのですが、通常のメディアは撮影はもちろん、入室することもできないのだといいます。実際、中で話を聞いていると、人の出入りで入り口の扉が開けられた瞬間、外からシャッターを押し、少しでも中の様子を収めようとする報道関係者が多数いました。
交渉は議長が仕切りますが、何度も中断し、日々8時間以上続けられます。地道な話し合いから成果文書は作り上げられ、本会議で各国の首脳陣らによって、全世界に発表されます。
ですが、リオ+20ではこの最終の事前交渉の場においても文書がまとまりませんでした。とは言っても、本会議の日程は決まっています。話し続けてもまとまらないこの文書をどのようにして成果文書にまで仕上げたのでしょうか。
15日の最終交渉日を終えたあと、議長国であるブラジルが議長案として文書をまとめました。このときにブラジルが言った言葉がこの交渉の難しさを物語っています。
「Everyone is unhappy. (みんなが同じだけ不幸である)」
議長案は今までの事前交渉でまとまらなかった部分を排除するという大胆なものでした。議長国の言葉には「各国が妥協しよう」という意味がこめられていたのでした。
この議長案をもとに、成果文書が作られました。ここで作られた成果文書はどう評価されたのでしょうか? 政府の交渉団のメンバーとして参加した環境省の塚本直也さん、またNGOとして参加した一般社団法人CEPA JAPANの理事である服部徹さんに話を聞きました。
塚本さんは「成果文書の中に目新しいことは含まれていない」とばっさり断言しながらもニュースなどでも取り上げられ注目されているグリーンエコノミーについては「文章は慎重だが、取り上げられたことで各国の首脳が注目するようになれば良い」と一定の評価も与えています。
「問題を病気で例えるとわかりやすいのですが、現在の経済活動を病気だと思ったときにその薬をグリーンエコノミーだとします。それをうまく利用することで回復できるのですが、現在の成果文書には副作用ばかりが表記されているという状態です。あまり積極的な文章ではありません。ただ、ここで取り上げられたことで、環境投資の重要性が高まるというきっかけになるのではないかと期待しています」
また、塚本氏は先進国と途上国が同じ目標を定めることができたと今回のリオ+20を評価しています。2015年までに達成することとされている「MDGs(Millennium Development Goals=ミレニアム開発目標)」は先進国が途上国を支援するベーシック・ヒューマン・ニーズに対応するものですが、より進化した「SDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)」という考えが今回登場しました。
「先進国の大量生産・大量消費社会を見直すことや、地球環境を守りながら発展を目指すという新しい内容がSDGsに盛り込まれると期待されます。今まで途上国は先進国に追いつこうと同じ発展を目指してきましたが、それでは地球がいくつあっても足りない。目標が同じでも道筋は違うといえばわかりやすいでしょうか。先進国は先進国でやらなければいけないことがあるし、途上国は途上国として環境に負荷を与えない発展を目指さなければいけません。今まで経験したことのない発展の方法をお互い助け合いながら進めていかなければいけないのです」
今までの経済一辺倒の発展とは違う道筋を歩んでいくことの重要性を塚本さんは語っています。
また、NGOとして参加した服部氏は先進国と途上国との対立を肯定的に見ています。
「今回の交渉は失敗だ、という人もいますが私はそうは思いません。先進国と途上国の対立が明確にはなりましたが、それは途上国が自分の意思を持って交渉することができたとも言えるのではないでしょうか。『持続可能な開発』は誰のものでしょうか? 同じ地球の問題を考える上で、途上国が強く発言できるようになってきたのはすばらしいことだと思います」
成果文書の採択ぎりぎりまで交渉がまとまらず、メディアを含め多くの人を心配させていましたが、長期的な視点で見ればポジティブな出来事だったということでしょう。
目次へ移動 次の10年に向けて日本が出来ることとは
リオ+20で採択された成果文書はすでに述べたとおり、次の10年への指針です。ここから日本が何をすべきか、どういった未来へ向かうべきか見えてくるのでしょうか? 崎田さんと同じく、国内準備委員会の共同議長を務めている三菱総合研究所理事長の小宮山宏さんは日本が新しいモデルケースになれるとお話してくれました。
「中国やアメリカが世界中の二酸化炭素の半分の量を放出しています。この大きな国が急に二酸化炭素の量を減らすのは難しいかもしれません。だけど、日本はできるんです。日本の資源を正しく生かし、技術を使えば地球のモデル国家になることが可能です」
小宮山さんは林業を例に話してくれました。
「いま、木材を輸出している国はどこだと思いますか? アメリカ、カナダ、ニュージーランドなどです。その国に注目すると木材を大規模な産業として扱っていることがわかります。日本の林業はどうでしょうか? きちんと産業化されているでしょうか? 自国の資源をきちんと利用し産業にしていくことで雇用が生まれたりします。そうやって抱えている問題が減っていくことで持続可能な社会が生まれていきます」
日本が自給国家になることで世界に対してモデルケースとなれると小宮山さんは言います。
20年前に12歳だったセヴァン・スズキが問いかけた「直し方のわからないものを、これ以上壊さないでください」という言葉の答えを探していた今回のリオ+20。その答えになるかもしれないメッセージが次の小宮山さんの言葉の中にあるかもしれません。
「今回の地球サミットでの最大の成果は、やはり顔を合わせてみんなが話をしたことです。インターネットが普及し、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアを多くの人が利用することで世界が狭くなりました。でも人は顔を合わせて問題を解決することが必要です。インターネットが普及したことで、多くの国で長年の問題や課題を壊すことはできた。では、壊した後どうするのか? 世界は国家だけでは動きません。市民や学者を始め、多くの人が向き合って話し合うことが大切なのです」
関連URL
The Future We Want - Japan Voices
http://futurewewant.jp/
地球サミット2012 Japan
http://earthsummit2012.jp/
中村祐介 略歴
出版社の編集記者を経て独立、2005年にデジタルマーケティングの株式会社エヌプラスを設立。事業開発やマーケティングのコンサルティングやプランニング、実施に携わる。今回のリオ+20では、NGO「地球サミット2012 Japan」の一員として電子書籍『Japan Voices』を発表した。著書に『コミュニケーションHACKS!』や『ユーマネー-Free<タダ>でお金と自分を成長させる方法』など。
Twitter: @nkmr
Facebook: yusuke.nakamura.nplus
http://www.nplus-inc.co.jp/
取材・執筆・写真:中村祐介
協力:地球サミット2012 Japan、西岡舞子
編集:上田壮一(Think the Earth)